カスタマーインティマシ―
カスタマーインティマシーとは顧客との親密さを示す言葉です。英語ではCustomer Intimacyと表記します。

さて、「顧客と親密な関係」と言いますが、企業が顧客と親密な関係になると具体的にどのような利点が生まれるのでしょうか?単に『険悪な関係よりも親密な関係の方がいいよ』という一般論の話なのでしょうか?

もちろん、違いますよね。顧客と親密な関係ならば経済的な利点があるのでワザワザこのような言葉が生まれたのです。

例えば、親密な関係の顧客なら競合他社でモノやサービスを購入するのではなく、自社で購入することが期待できます。(参考:ストアロイヤルティ顧客ロイヤルティ

また、顧客が顧客である期間にわたって獲得できる収益も大きくなります。(参考:ライフタイムバリュー

このように顧客と親密な関係を築くことは企業の収益を改善させる助けになるという考え方なのですね。

■カスタマーインティマシーを高める方法って?

お客さんと仲良くなると、長くお客様でいてくれるし、長くお客さんでいてくれると説明では書きましたが、では肝心の仲良くなる方法について考えていきます。

個人事業主などでは社長や店長がちゃんとフレンドリーに接していればある程度実現できると考えられますが、ちょっと大きな会社では仕組みを作っておかないと上手く回りません。

お客さんが「困っていること」や「こんな商品がほしいよ」と言った貴重な情報は会社全体で共有できないと、仕入れに反映したりすることができません。そのため、お客様の購買履歴を蓄積する仕組みを作ったり、獲得した情報を全社で共有する仕組みを作る必要があります。

また、何よりもお客様は「特別扱いしてほしい、自分を理解してほしい」という願望を抱えています。そのため、常連さんになったら特別割引クーポンを用意したり、「あなたが好きだと思いましたから、仕入れておきましたよ」みたいな声掛けをできれば非常に効果が高まってきます。

小規模事業者さんが明日からできる工夫としては、ノートを用意しておいてよく来るお客さんとの会話をメモしておくと良いでしょう。会話の中で得た情報を接客に活かしていくことがお客様との親密さを高めることにつながるのです。

■カスタマーインティマシーの効果をどう測る?

企業とお客様の親密度を高くする方法を考えてきましたが、親密度を高くすることができても、それを測定できないと組織的に役立たせることは難しくなってしまいます。

「お客様と仲が良いですよ」と主張してもあんまり意味がありませんからね。カスタマーインティマシーを高める目的は、お客様が沢山自社を利用してもらうようにすることでしたから、ここに測定にヒントがあったりします。

では、具体的にお客様とどれくらい親密かをどうやって測定するとよいでしょうか?

例えば
  • お客さんが何度来てくれたか(再来店率)
  • 前と比べて買ってくれる量や頻度が増えたか(購買頻度)
  • 顧客生涯価値が増えたか(LTVライフタイムバリュー:ただしこれは事後的にわかることです)
と言った事が測定できる指標になり得ます。このような指標を測定するために、ポイントカードを作ったり、顧客管理アプリを導入するとよいでしょう。

なお、小規模事業者さんにおいては、手書きノートで管理しても十分な効果を挙げることができるでしょう。

■カスタマーインティマシーはどんな戦略の一部なのか

会社が厳しい環境を戦い抜くためにどのような方向性を考えていけばいいでしょうか?様々な考え方がありますが、カスタマーインティマシーがどのように位置づけられているかを見ていきます。
効率性や低価格、提供のスピードを強みにする、大手スーパーやコンビニなどが得意とする方向です。
  • プロダクトリーダーシップ
核心的で優れた製品によって市場をリードする戦略。最新のスマホなど、商品力そのもので戦う方向です。
  • カスタマーインティマシー
今回の説明のように、顧客ごとに最適化した価値提供で、『関係性』で戦う戦略

このような3つの軸を考え、そのどれか一つを集中して鍛えていくという戦略です。この意味でカスタマーインティマシーは関係性に着目した戦略となってくるのです。