付加価値とは、企業などが活動した結果、生み出された価値のことを言います。言い換えると、外から買ってきたモノやサービスに、自社が活動することによって付け加えられた価値のことを言います。英語ではadded valueと表記されます。付け加えられた価値といった意味ですね。
- 付け加えられた価値って?
さて、製造業を例にして、企業が活動したことによって付け加えられた価値について考えていきたいと思います。モノを作る訳ですから理解しやすいと思います。
あるパン工場が小麦粉と勤勉な従業員の努力でパンを作っています。また、少しだけ外注もしているとします。
そして、このパン工場は一年間の活動の結果、200万円の売上を上げたとします。この際、小麦粉を50万円、外注費を10万円、人件費を50万円、減価償却費を50万円が発生したとします。(期首期末とも在庫は無かったし、作るそばから売れたものとします。)
すると、次のような経営成績となったわけですね。
売上高 200万円
売上原価 110万円
売上総利益 90万円
販売費及び一般管理費 50万円
営業利益 40万円
経常利益 40万円
税引前当時純利益 40万円
法人税等 16万円
当期純利益 24万円
(製造原価)
材料費 50万円
労務費 50万円
経費 10万円
※在庫が無く作るそばから売れたので、製造原価=売上原価となっています。
では、この数字をもとにパン工場が生み出した付加価値について考えてみましょう。
- 付加価値は最終的な利益の24万円?
まずは、利益の額を考えてみましょう。この金額はなんとなく付加価値と言ってもよさそうな気がしますよね?企業が活動した結果生み出された価値ですから、最終的な利益はぴったりとくるような気がします。
しかし、そう考えるならば、従業員さんのお給料はどこから出たのでしょうか?付加価値とは、『外から買ってきたモノやサービスに、自社が活動することによって付け加えられた価値』の事ですから、従業員さんのお給料も引いている最終的な利益では少なそうですよね?
- 差し引いて考えよう(中小企業庁方式)
それでは、従業員さんのお給料も含めて付加価値を計算するためにはどうしたらよいでしょうか?それは、売上高から外から買ってきた費用を差し引いてみればよいのです。
上の例では、
付加価値=売上高-(材料費+外注費)
で計算しますので、
付加価値=200万円-(50万円+10万円)=140万円
となります。この企業が活動した結果、140万円の付加価値が生まれ、そのうち50万円を従業員に分配したと考えるのですね。
- 積み上げてもいいよ(日銀方式)
さて、同じことを売上高から差し引くのではなく、積み上げ計算でも求めることができます。こちらは以下のような計算式となります。
付加価値=経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課+減価償却費
付加価値=40万円+50万円+0+0+0+50万円=140万円
となります。こちらの方だと、明示的に人件費を足していますね。
事業を営むのに必要な情報姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。