記号的消費
記号的消費とは、商品やサービスを消費する際に、そのもの自体の実用的価値ではなく、社会的な意味付け『記号』に価値を見出して消費を行う事を言います。

例えば、あなたが車を購入しようと考えているとします。その際に、「車の価値は安全に目的地にたどり着けることだよね。」と考えていたとすれば、別に中古であってもデザインが微妙であっても、かまわないと考えるはずです。

このような場合、商品の実用的な価値に目を向けていると考えることができますよね。

一方、「○○というメーカーのクルマは、職人が…で、そもそも19世紀に…、また、デザインも…」といった風に個人の趣味や嗜好、こだわりなどに合致することに価値を感じて購入するような場合もあります。

こういった『こだわった』車は、しばしば通常の車よりも高額となりますが、商品の実用的な価値に大きな差異はあるでしょうか?

言い換えると、『安全に目的地に着く』という実用的な価値が、追加に支払う価格に見合うほど向上しているでしょうか?一般的にはそんなことはないですよね?

しかし、このような社会的な『記号』があるような商品は高く販売されます。そして、このように、『記号』に着目した消費を記号的消費と言います。

これに対し、消費の意味にこだわった消費行動を意味的消費といいます。(エコに価値を感じて多少高くても燃費の良い車を買うなどの消費行動のイメージです)

■現代における記号的消費

現代においては、記号的消費はより身近になっています。というよりもSNSを通じた消費は味ではなく、「流行り物」、「オシャレ」、等といった記号的な価値を求めていると整理すると企業側の売り方も変わって来ます。

ハイブランドのバッグなども、実用的価値はもちろんのことブランドという記号が重要となってきます。

その意味で、いくら知名度があったとしても一般的な価値観で眉をひそめられかねないような分離集団となりがちな人たちを広告塔にしてしまうと、記号的価値が損なわれると言ったマイナス面も出てきます。

■中小・小規模事業者の勝ち筋

中小・小規模事業者においては一般的に供給量が僅少になるといったマイナス面を抱えています。しかし、記号的消費の文脈から整理するとその希少性が記号となり得ます。

どのような記号が自社の経営資源で実現できるかを検討し、うまく記号をSNSで発信できれば通常よりも高価な価格設定でも十分に売ることができるのです。その意味で、差別化が行いやすい時代になりつつあるということができますね。

■記号的消費とマーケティング戦略の関係

視点 従来の消費 記号的価値に基づく消費 マーケティングの観点
購買動機 商品の性能・機能・価格 商品の象徴性や「持っていることの意味」 広告では「性能」だけでなく「体験・物語」を強調する
商品例 日用品、生活必需品 高級ブランド品、SNS映えする飲食物、希少な一点もの 機能ではなく「記号づけ」で差別化
価格設定 原価+利益 希少性や社会的評価により高額化が可能(むしろ高いほうがいいまである:ヴェブレン効果 小規模事業者は「希少性」が有効
消費者 コストパフォーマンス重視 自己表現・ステータス重視 ターゲット層ごとに訴求方法を変える
SNSとの相性 便利さ・コスパで拡散 写真・動画映えで「象徴性」が拡散 SNS戦略は記号的消費を意識して設計する

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