ジャラパゴス
ジャラパゴスとは、日本独自仕様で進化を遂げ、日本国内では競争力を持つが、世界的には競争力を持っていないような製品やサービスを指す言葉です。

この言葉は、日本(ジャパン)とガラパゴスの2語を組み合わせた造語で、世界の潮流を無視し、日本独自仕様で進化を遂げた製品やサービスが、その特殊な進化ゆえに世界的には需要が著しく少なくなってしまうとの現象を指した言葉です。

(ガラパゴス諸島の生物のように、外界から隔絶された環境で独自に進化を遂げたといったイメージです。)

例えば、スマートフォンが生まれる前の携帯電話などを思い浮かべていただければと思います。

この種の携帯電話は日本のユーザの求めるニーズを満たす、非常に高性能な製品でした。

しかし、世界的には日本独自に進化した方向性とは異なる仕様が求められており、日本の優れた携帯電話であったとしてもあまり世界的には競争力を持てずにいました。

そして、スマートフォンといった黒船がやってきた時、ジャラパゴス化していた国内の携帯電話は総崩れといった状況を迎えてしまったのです。

このように、顧客が求めるモノを作るという顧客志向とか、ニーズ志向などというキーワードで示される方向で頑張っていたけれども、独自仕様が強すぎてジャラパゴス化してしまったというのは皮肉ですね。

■ジャラパゴスあれこれ

幾つか挙げてみると、
・おサイフケータイのFelica
・地デジとかのテレビ
・家電のごちゃごちゃしたインターフェース
などなど

いや、技術は優れている場合も多いんですよ。むしろ世界標準のデファクトスタンダード(普及したから事実上の標準になったもの)とかデジュールスタンダード(ちゃんと標準を決めたもの)よりも優れているケースも多くあるのですが、どうしても普及率という意味で我が国市場に閉じ込められてしまったのです。

(皆が使うと技術的優位性云々とは異なった切り口のネットワーク外部性(皆が同じものを使うからこそ価値が生まれるという考えかた)という効果が働き始めるのです。)

■ジャラパゴスが許されるほど独自性と内需が分厚かったが・・・

我が国市場はとても大きく、内需だけで完結するだけの規模がありました。我が国で覇権をとれば、それだけで食べていけるわけです。また、英語圏と言語が断絶しているので我が国独自の市場が温存されたといった構造もあります。

このように、我が国独自で進化してもいいじゃないかと考えることもできなくはないのですが(そういったマーケティング戦略上のポジショニングは十分に正当化されます)、世界に打って出る事が難しくなりますし、調達コストも高止まりします。

また、海外からいわゆる黒船(上の例でスマホですね)がやってきた際に、一気に駆逐される危険性も存在するのです。

■今もジャラパゴスは発生しうるの?

筆者は、システムで決裁するとハンコ画像を押してくれるといった機能を見たことがあります。また、2025年現在FAXが現役だったりする姿も見たことがあります。

でも、我が国独自のニーズに対応する仕組みって刺さるんですよね。だから、腹をくくってジャラパゴスを狙うのも中小企業の戦略としては十分にあり得るのです。

初出:2013/09/27
更新:2025/07/13