商物分離
商物分離とは実際のモノの流れである物流と、取引の流れである商流が別となる事を言います。

卸売業者から小売業者が仕入れるといった素朴な取引では、実際のモノの流れである物流と、取引の流れである商流は同じになります。

この場合、卸売業者小売業者という取引とともに、モノも流れていきます。
  • 商物分離の例
この、小売業者からの発注に基づいて卸売業者が販売するという場合でも、商物分離となるケースがあります。

例えば、このような時に、卸売業者は在庫を持っておらず、製造業者から直接小売業者に納品してもらったとしたらどうなるでしょうか?

このような場合、物流は製造業者→小売業者になりますよね?

こういったケースを商物分離というのです。

■商物分離のメリットと注意点

商物分離になれば流通が効率化するという面でも大きなメリットを生じます。卸売業者側からすると、在庫リスクが回避でき、取引全体、サプライチェーン全体のでのキャッシュフローが改善します。

また、在庫を保有することに伴うコストも削減できるので、こちらもサプライチェーン全体での改善に寄与します。(その分安く消費者に売ってもいいですし、参加者で安くなったコスト分の果実を山分けしても良いのです)

ただし、情報伝達にミスが生じれば大きな問題が発生しますので、確認作業という手間が増える面には気をつけないといけません。

■商物分離の歴史的な流れ

昔は(というか人類の取引の歴史において)物の流れとお金の流れはほとんど同じでした。例えば中世の市などでは商品を持ってきて、それを販売していたのです。

ただし、江戸時代など物流網と商流網が発達してきた時代においては、実際にお金を運ぶ(小判や銀貨など)を運ぶことは危険ですし、通貨自体が重いものですので、両替商の「手形」を通じて信用を介して取引を成立する仕組みが成り立っていました。

この動きも、物流と商流が一致しないという面で商物分離の初期的な形と考えることもできます。

このように、流通や商流が合理化されてきた近世・近代以降、問屋(卸売業者)自体は取引数の削減(取引数最小化原理)などの社会的意義を果たしつつ、物流は効率化するという動きが生まれてきました。

メーカが直接配送すればわざわざ卸売業者の倉庫を経由する必要がなくなりますから、物流は改善されるという発想です。