中小企業性業種
中小企業性業種とは、いわゆる中小企業の出荷額が全体の70%以上を占めるような製品の事を言います。

例えば、クルマとか鉄鋼などは大企業が作っているといったイメージはすぐに持てると思います。

このような大企業が主に生産するようなモノの逆で、中小企業性業種の製品群は中小企業が主に製造しています。
  • 具体的は?
さて、「車とか鉄鋼などを大企業が作るのは分かったけど、中小企業性業種って具体的になんなの?」といった疑問が生まれてくると思います。

そしてこの中小企業性業種の代表例としては、繊維商品や食料品などがあげられます。

イメージとしては規模の経済がモノを言う少品種多量生産の世界(鉄鋼とかクルマ屋さんの世界ですね)ではなく、小回りが利く方が強い多品種少量生産の世界の商品がこの中小企業性業種に当てはまります。

地元で多種多様な食料品を少量ずつ製造しているような業者が主となって製品を提供するといったイメージですね。

■中小企業性業種という考え方を同経営に活かすか

この中小企業性業種と分類される分野の事業は、中小企業が沢山生き残っている分野と言い換えることができます。

とすると逆転の発送で、中小企業や小規模事業者でも工夫次第で戦えるフィールドであるということができるのです。

例えば、パン屋さんなどでは多品種少量生産で地元のお客様の好む商品を少しずつ沢山の種類を作ることで、大量生産の山崎パンや第一パンと戦うことができます。

もちろん、品質や価格面で真っ向勝負すると非常に苦戦をする(大手のパン屋さんは極めて優れた商品を市場に投入しています)ので、大手パン屋さんとは違う切り口の商品を提供することが重要です。

柔軟性や小回りがきくこと、オリジナリティ、地域性などこういったキーワードでの商品提供を意識していくことで大手には無い独自の魅力を発信することができます。

そのため、「自社の強み、自社の魅力、どうしてお客様が今日美味しい山崎パンの菓子パンではなく自社を選んでくれたのか?」そういった事を考えてみることが求められます。

この他にも、家具等の製造や伝統工芸品など以下のようなものがあげられます。

・繊維業、アパレル業(小さな縫製業者などが多数存在)
・食品加工業(お菓子や地域の特産品など)
・酒造業(日本酒などは地域の蔵元が作っています)
・陶磁器など
・木工家具
・皮革・靴製造
・などなど

小さなクラフトビール屋さんとか、クラフトコーラ屋さんなど、沢山作らないことこそが差別化要因とできるという切り口も考えられます。

これらの事業を営んでいる方は、ノートにお客様の気持ちになって箇条書きでも書いてみると、大手企業と戦う良いヒントになりますよ。

とはいえ、おそらくこの中小企業性業種というキーワードで検索しても2025年現在でもほとんど検索意図に一致する結果が得られないほどには、この言い方は陳腐化しています。

ただ、中小企業が出荷額の多くを占める業種というものは依然として存在しています。そのような業種での戦い方を考えることは、地域を支える中小・小規模事業者さんのためになると考えます。