貸倒引当金
貸倒引当金とは、売掛金や貸付金、受取手形などの債権が将来貸倒れることに備えて見積もった費用の事を言います。

でも、どうしてこういった引当金をワザワザ計上する必要があるのでしょうか?

「実際に取引先に問題が発生して回収できなくなった場合(貸倒れた場合)は分かるけど、そうでないのに費用にするのってどうなの?」といった声も聞こえてきそうですよね。
 
でも、こういった風に考えてみたらどうなるでしょうか?

まず、広く取引を行おうと考えた際には、なにがなんでも現金商売というわけにはいきません。(もちろん「現金決済のみでお願いします」と頼むことはできますが、そうすると取引獲得の機会は確実に少なくなってしまいます。)

その為、『現金取引』ではなく『掛取引』を認めるという事は、取引先に対して信用を供与し販売促進を図っているとみることも可能です。

その場合、貸し倒れに伴う損失は売上に対応する『費用』になりますよね?(こういう考え方を費用収益対応の原則と言います。)
  • いつの費用?
さて、この貸倒は経験上一定の割合で発生することは避けられないと言われています。では、実際に発生した貸倒はいつの費用とするのがより合理的でしょうか?

例えば、今期の末日に残っている100万円の売掛金のうち、経験上2万円程度は貸倒れるとわかっているような場合、この貸倒損失はいつの費用とするのが合理的なのでしょうか?
 
どうも、実際に貸し倒れが発生するであろう来季の費用にするより、今期の費用にする方が合理的な感じがしますよね?(今期の販売促進を行うために支払いを待っているお金が回収できなくなるわけですからね。)

とすると、決算時に貸倒れの発生額を見積もって、あらかじめ今期の費用にしておくという会計処理は合理的であると考えることができるのです。

その為、決算書を見ていると貸倒引当金なる費用が毎期末に発生するのです。(税法で認められた費用(損金にできる)という面も大きいのですが。)
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