損金_001
損金とは税法上の考え方で、税金を計算する際に費用とされるものを言います。この損金と企業会計上の費用は少し異なってきます。会計上の費用とは似て非なる概念というところがポイントで、たとえ会計上の費用としていても税務署が認めなければ損金にならないというところがポイントです。

■損金と会計上の費用のズレ

例えば、収益が100万円で費用が90万円だった企業では、会計上の利益は10万円ですよね。

「じゃあ、この10万円×税率分が税金になるんだよね。」と考えたくなるところですが、損金と会計上の費用は少し違うので注意が必要なのです。

この時、費用の90万円のうち30万円は損金として認められない費用だった場合(こういうのを損金不算入と言います)税金計算上の利益は10万円から40万円に跳ね上がります。

※便宜上収益=益金としています。正確には収益と益金も異なる考え方です。

そして、利益が4倍になるという事は単純に、当初考えていた税金が4倍になってしまうという事です。どうでしょうか?怖いですよね。

■よくある損金と会計上の費用の違い

例えば、減価償却費は別にどれだけ計上しても会計上では問題ありません。「ウチは車は2年に一度買い替えるから2年で償却するんだよ!」なんてことも問題ないんですね。(費用の期間配分という考え方とは矛盾しないんですね。)

でも、税法上はクルマの償却期間は決まっています。そのため、多くの企業では実際に何年で乗り換えるかという基準は関係なく、税法上の耐用年数を用いる事となります。(そうしないと調整がめんどくさいですからね。)

さて、耐用年数が異なることでどんな事が起こるのでしょうか?考えられる事象は、減価償却費の額が変わってくるといった事ですよね。

例えば、税法上の償却期間よりも短く償却した場合、減価償却費が大きくなります。(100万円のモノを2年で償却したら1年あたり50万円ですが、3年だと33万円になります)

この場合、税法上の費用と認められるのは33万円ですが、会計上50万円を費用にしています。その結果、差額の17万円分が税金を計算する上の儲けに加わります。(マイナスが認められないというわけですからね。)

このように、損金と費用の違いは注意する必要があります。上のまんがのように、イザ税金を計算する時に「それは損金にならないから税金払ってね」と言われると困ってしまいますからね。

以下、よくある会計上の費用と税務上の損金の違いを幾つか抜き出してみます。
会計上の費用 税務上の損金 違いのポイント
減価償却を独自基準で処理 法定耐用年数で処理 自由な処理が可能だが、税務上は制限あり
社内接待費や交際費 一部制限(上限あり) 一定金額以上は損金不算入
引当金・準備金 多くが損金不算入 将来の見積もり費用は原則不可

■税務は税理士先生か税務署へ

と、私ども税理士でない人間が説明できるのはココまでです。具体的な案件は必ず税理士先生か税務署に確認してください。

税務領域は報酬の有無に関係なく税理士さんしか対応不可と法律で決まっています。

※ですので、税務の相談に一切答えない士業こそが、ちゃんとした専門家なんですよ。

■費用と損金ズレでキャッシュフローが変わる

損金と費用の認識のタイミングがズレることが、このように割とありますので、(ずれるといいつつもほとんどはキャッシュフローの悪化方向にズレます)、キャッシュフローに注意してもらう必要があります。

ただ、大きな投資をした際には、いろいろな制度もありますし、特に補助金獲得した場合には圧縮記帳等といったお話もあるので、ぜひ信頼できる税理士の先生と一緒に確認してみましょう。経営判断やキャッシュフローへの影響が大きい場合もありますので。