
BPOとは企業がコア業務に集中するために、自社の業務プロセスの内で、コア業務以外の業務を外部に業務委託する事を言います。英語ではBusiness Process Outsourcingと表記されビジネスプロセスアウトソーシングとよばれます。
このBPOでは、コア業務以外とされる業務を一括して外部の業者に任せるようなイメージです。
例えば、経理業務を○○という会計事務所に一括してお願いして、総務業務は○△という業者にお願いする。労働保険についての業務は労働保険事務組合にお願いしてしまうといった感じですね。
これらの業務は、ある程度共通した業務ですので委託先の業者にとっては規模の経済が効き、比較的低コストで業務を提供することができるのです。
さて、どうしてワザワザ業務を外部に委託する必要があるのでしょうか?「うちの会社は人事部も総務部もシステム部もあるし、全部自社でできるよ!」といった声も聞こえてきそうですよね。
確かに、自社でできればそれに越したことはないと考えられますが、それは本当に自社で行うべき仕事なのでしょうか?
- コスト面の理由
どんなに大きな企業であっても、経営資源には限りがあります。そして、あまり大きくない企業にとっては『希少な経営資源』という言葉が枕詞のようについて回ります。
そして、『希少な経営資源』を間接部門に投入したとしても、専門業者の方が高い品質でしかも安く実施してくれるといったケースがあるのです。
例えば、コールセンターを自社でやるよりも、専門業者にお願いしたら、かえって安上がりだったといった場合です。
と、こんな風に書くと「いやいや、社内でやればコストはかからないよね?」と考える人もいるかもしれませんが、それはコストが見えなくなっているだけです。
上の例ではコールセンター業務を自社で実施する場合、働いている人の人件費はかかっているはずですし、採用関係の費用や、電話回線の維持費、コールセンターの建物などにかかる費用が発生しているはずです。
さらに、採用した人の教育訓練にかかる費用や(コールセンターの人が無礼だったら大変ですからね。)、コールセンターを管理するもろもろの費用も発生します。
そして、このようなコストをかけても、自社に適切なノウハウがなければ、コールセンターの運営は非効率になりがちです。
また、社内に人員を抱えると、どうしても固定費的に費用がかかるといった問題点もあります。
前述のコールセンターなどでは、外部に委託していれば売上が下がればその分、委託する費用も下げることが可能なので費用が変動費的になるといった効果も見逃せません。
- 希少な経営資源の活用面といった理由
また、有能な人材を自社のコア業務に集中して投入したいといったニーズもあると考えられます。(参照:事業ドメイン)
というのは、自社が市場で必要とされているのは、総務部がしっかりしているためや、記帳が正確なためではなく(もちろん大切なことですが)、市場に製品やサービスを届けるといったコアな業務がしっかりしているためだからです。
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