固定費型ビジネス_001
固定費型ビジネスとは、比較的大きな固定費が発生するが、変動費は小さいため大きな粗利が確保できるビジネスの事を言います。

例えばこのような固定費型ビジネスには、高炉を持っている鉄鋼会社や発電所を持っている電力会社といったビジネスが該当します。別の角度から言うと、大きな初期投資が必要となるビジネスという事ができます。

また、そこまで大規模なビジネスでなくとも、大きな初期投資が必要となって、減価償却費などが大きく発生するようなビジネスは固定費型ビジネスとなります。

しかし、固定費が大きく発生するという反面、変動費は少なくなるため、概して粗利率(正確には貢献利益です)は非常に高くなります。

例えば、大きなお金を投じて設備投資をしたパン工場があったとします。このパン工場はかなりの部分を機械化しており、ほとんど自動でパンを焼きあげることができるとします。

このような会社が追加でパンを作るという場合、それほど材料費(小麦粉代など)はかからないので大きな粗利がでるはずです。

しかし、パン工場の減価償却費といった固定費が大きいため、それなりの水準の売上を上げないと赤字になってしまうといった弱点があります。
固定費型
この図は、費用を固定費と変動費に分け、売上高との関係を示した図です。真ん中の損益分岐点という点を超えれば利益が出て来ます。

そして、こういった固定費型ビジネスは、固定費の水準が高い反面、変動費の角度が緩やかになる為、大きな固定費を高い粗利率で回収していくというイメージとなります。

このような、固定費型ビジネスを費用面で簡単に言うと、利益が出始めると大きく儲かりますが、売り上げの低下には弱いビジネスモデルであるという事ができますね。

売上低下に強い変動費型ビジネスという考え方もあります。(売上の変化によって損益がどうなるかは変動費型ビジネスの図表を見てみてください。) 

■固定費型ビジネスのリスク管理

さて、「当社は固定費型ビジネスだから儲かるときはすごく儲かるし、儲からないときは大赤字になるビジネスモデルなんですよ。ただ、少しでもこの種のリスクを減らしたいと考えています」と固定費型ビジネスを営む企業から相談を受けたらどうでしょうか。

この場合は、いわゆる損益分岐点を引き下げるための方策をねっていくとよいでしょう。

例えば、設備などをリースにしたり、外注などを活用するなどによって固定費を変動費化すると言った方策が考えられます。

また、遊休資産をそのまま遊ばせておくのではなく、物自体を貸し出したり、場合によっては時間貸しで利用させると言った工夫で副収入を得ることも可能となります。

また、何より、需要変動を平準化することは効いてくる方策となりますので繁閑の相関関係が低い複数の顧客セグメントを受注先とすると言ったことも有効になります。

ただし、どれもパラメータ(変数)の調整といった感じの方策です。この種の議論には正解はありませんし(顧客セグメントの分散は一般的なマーケティング上は悪手とされます)、どの水準のリスクを許容するかによって、リスク管理を考えていくことになるのでしょう。

ただし、中小・小規模事業者にとっては、設備投資を行った際にはどうしても相対的な規模が大きくなりがちですので(年商2000万円の企業が1000万円の機械を入れるのは、年商の半分もの規模の設備投資です)、うまく導入した機械が稼働しない場合にどうするかを考えておくことが重要になってきます。

なお、2025年現在においては、補助金などで機械設備を導入した場合は、その流用(当初の事業計画以外に使うこと)はご法度となっており、最悪受け取った補助金の返還にもなりかねませんので、補助金活用は慎重を期す必要があるのです。