業績連動型賞与_001
業績連動型賞与とは、組織の業績に合わせて賞与の額を変動させようとするアプローチの事です。業績に合わせて変動するので、業績連動型と言われてるのですね。

さて、賞与(ボーナスの事ですね)は【基本給×○か月分】という形で一般的には支給されます。

このような形をとった場合に、「じゃあウチの会社の賞与は【基本給×2か月分】ね」と言われたときに、ある意味固定的な費用となります。(業績が良くても悪くても、基本給20万円の人だったら40万円を支払うわけですからね。)
さて、業績連動型賞与という形が採られた場合、賞与はどのような考え方になるでしょうか?

仮に支払総額が変わらなかった場合を考えてみたいと思います。

「どっちにしても払う額が同じなら変わらないんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、経営的には大きな違いが出てきます。

これは、賞与分が変動費化できるという点です。売上の水準に関係なく一定額が発生する固定的な賞与と異なり、業績が悪くなったら一定額を下げることはできますし、業績が良くなったら増額することもできます。

このことから、企業経営のリスクを減らすことができるんですね。(例年の7割しか売上が上がっていない時に、7割の賞与でいいとなればリスクは小さいですよね。)
  • モチベーションアップの効果
また、モチベーション面の効果も見逃せません。

報酬が完全に固定の状況では、「どうせ頑張っても、報酬は増えずに仕事が増えるだけだしね…」なんて考える人も、「頑張れば報酬が増えるんだよね。」となったらモチベーションが上がるかもしれません。

(『動機づけ要因・衛生要因』という理論では、報酬額は衛生要因に位置付けられるため、報酬アップが一概にモチベーションアップに結びつかないと言われることもあります。)

■不況期または業績不振時における業績連動型賞与の課題

定義から、業績が上がっている際は賞与がたくさんもらえるのはわかっていただけたと思います。しかし逆に、不況期や業績悪化時期には賞与が減少します。

綺麗事を廃して本音ベースでいえば、賞与と連動した住宅ローン(ボーナス払いなど)や生活の原資に(もっと言えば月々の給料では足りない生活費の穴埋めに)使っている従業員が非常に多くいます。

このため、生活設計をしにくくなるといったことが発生します。特に、金融などの景気に敏感な業種などは業績連動型賞与が激しく増減する事となってしまいがちです。

また、不況期や業績不振の際にはもっと従業員にやる気を出して頑張ってもらわなければならない筈ですが、報酬水準は下がるけど頑張ってくださいと言ったメッセージを発する事となりかねません。

これは、経済全体が不況であれば仕方ないとあきらめも付くかも知れませんが、自社だけが業績不振になった場合は、退職の増加を招きかねません。(そしてそういったときに退職するのは、いわゆる会社を支えるエースであることが多いです。)

これらのことから、賞与の「最低補償額」などを設けて、重要員の安心感をしっかりと確保することが求められます。

業績連動型賞与を導入することにより、多少のコスト削減や人件費の変動費化(というよりも準変動費化)といった副産物が得られるかも知れませんが、あくまで目的は公正な報酬設計を行い組織全体のモチベーションアップである事を抑えておく必要がありますね。