BI_001
BIとは、ビジネスインテリジェンスとも表記され、企業経営にかかわる情報を、あたかも自動車の運転席や飛行機のコックピットの計器で見るように見えるようにしておくことを言います。英語ではBusiness Intelligenceと表記されます。

これは、「せっかく、企業を管理するために活用している業務システム(ERPパッケージなどですね)があるんだから、そこから集まってくる非常に大量のデータを活用して、経営に必要な情報を見えるようにしようよ」といった発想です。

そして、そのデータの活用を統計の専門家とか、財務の専門家といった人たちに任せるのではなく、データを活用することを望む人が(経営者のレベルとか現場の管理者レベルが)その場で分析できるようにしようという発想なのです。

この考え方は、情報をユーザレベルで簡単に分析できるようになるという考え方で、良くあるIT万能説(ITは魔法の杖じゃないのに…)の一種であるような気がします。

いずれにしても、出てきた数値をどのように読み取るかは、読む人のスキルに依存するわけであり、数値が何を表しているかをきちんと理解できる水準の教育訓練は必要となりそうですよね。

■BIとAIの違い、AIが強くなった今も必要なの?

本記事は2013年に公開したのですが、AI時代となった2025年現在においてもBIという言葉は陳腐化していないのでしょうか?「AIがあるんだからBIなんかいらないのでは?」と思いませんか?

でも現在においてもBIは有効ですし、AIとは少し違う切り口となります。

AIは問いに対して統計的に最も適合する答えを出してくれる仕組みですが、BIは現状の把握、人が考えるための材料を見やすく整理するという仕組みになります。

例えば、AIに聞けば新商品の売れ行きを予測することができるかもしれませんが、BIでは現状売れている商品をわかりやすく整理して提示することができます。

つまり、今を正しく理解するために現状のデータを可視化する仕組みと言い換えることができます。そして、AIの出してきた結果を評価するためには、現状を正しく認識することが欠かせませんので、その意味でデータを整理するBIの必要性はむしろ増していると考えることができるのです。

■組織に蓄積された知識をもとにBIをよりよく活用することが大切

BIは分析ツールですので、どんなデータを蓄積し分析に生かすかといった取捨選択は、組織の知恵で行うこととなります。

そして、単なる数字の羅列で終わらせるのではなく、経営判断を行うことが大切です。そしてそれよりも大切なのは、判断のプロセスを組織の知恵として組織内に蓄積し共有し再利用することが重要なのです。

その意味では、BIはナレッジマネジメントと非常に相性がよく、データと知恵を相互に高めていくための仕組みとなってくるのです。