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BTOとは、注文を受けた後に製品の製造を行うといった生産方式を言います。いわゆる受注生産方式ですね。英語ではBuild To Orderと表記されます。

■BTOの生産側のメリット

BTOは受注生産のイメージとなるので製品在庫を減らすことができるというのが非常に大きなメリットとなります。

しかし、全体の在庫を削減できるかどうか(部品の在庫を削減できるかどうか)は、どの程度の納期で発注者に納品するかによります。

例えば、注文を受けたらすぐ製品の製造を行うようなBTOでも、ラーメン屋さんみたいな仕事ならばスープや麺などすべての材料を持っていないとならないので在庫削減は図れません。

しかし、PCの受注生産などで顧客がある程度待てるのであれば、部品在庫も合わせて削減することが可能となるかもしれません。(この場合、部品を仕入れすぎても部品だけで転売することもできますので、上記のラーメン屋さんと比べれば在庫のリスクは小さくなります。)

■BTOの顧客側のメリット

顧客側にとっては、ある程度は自分の望む仕様で製造を行ってもらえるというのが大きなメリットとなります。

また、製品に対して、ある程度の知識があればメーカがつけている不要なオプションを削除するといった事も可能となります。

(国内メーカのPCを買うと、PCメーカが開発したソフトウエアが山のようにインストールされていますよね?このようなソフトについては、使いそうなものだけインストールして、使わない分については値引きしてもらった方がうれしいと感じる人もいるはずです。)

また、製造側が在庫リスクを削減している分、割安な価格で調達できるといった点もメリットとなります。

■BTOと見込み生産の違い

BTOはいわゆる受注生産方式となりますので、在庫を少なくすることが可能です。とはいえ、部品などの材料をある程度持っておいたり、すぐに納品してくれる取引先があったりしないと短納期対応が難しいため、部品在庫まで含めると在庫が必ずしも少なくなるとは言えないのが難しいところです。

今回のまんがの例でも、注文を受けてから作ると言っていますが、注文を受けた段階で材料の発注から始めたとするとそれなりに納品までに時間がかかってしまいますよね。そのためある程度の材料については在庫として持っておく感じになります。

他方で、見込み生産方式の場合は製品として在庫をある程度持っていますので、基本的には即納することが可能です。また、ドンドン自社の都合でコストが最小になる生産計画を組んで製造することができますので、コストは安くすることにつながります。

ただし、受注予測に誤りがあったりするとせっかく製造した製品がそのまま不良在庫になってしまうと言ったリスクがあります。

簡単にまとめるといかのような違いがありますので、上手くBTOと見込み生産を組み合わせて対応することが重要です。

項目 BTO(受注生産) 見込み生産
生産タイミング 注文を受けて製造 事前の需要予測に基づいて生産
在庫リスク 完成品在庫は少ないが、部品在庫は必要 完成品在庫で持つため、売れ残りや過剰在庫のリスク大
納期 やや長め 短納期
コスト構造 在庫削減で効率的だが、小ロット対応で単価が高くなる場合も 大量生産で単価は安くなるが、在庫コストがかかる
顧客メリット 仕様をカスタマイズ可能 入手が早い。価格も低価格になる傾向あり
適用例 パソコン、オーダーメイド家具 飲料、食品、日用品など需要が安定している商品(需要予測がしやすい)

■まとめ

BTO(受注生産)は在庫リスクを抑えることが可能で、また、顧客の要望に沿った製品を柔軟に提供できる方法です。

他方で、見込み生産は、短納期対応や同一仕様で大量に作れることからコスト削減に有利ですが、需要予測の精度が甘いと過剰な在庫を抱えるリスクがあります。

実際にはどちらが優れているというものではなく、商品や顧客の特性を見つつ組み合わせることが望ましいでしょう。

初出:2013/06/09
更新:2025/08/26