リテンションマーケティング_001
リテンションマーケティングとは、既存顧客の離脱を防ぎ長く利用してもらうための施策です。
本記事では、リテンション施策の基本と効果、実践のポイントを初心者にも分かりやすく解説します。

<簡単な説明>
リテンションマーケティングとは、顧客を維持するためのマーケティング活動のことを言います。

残念ながら一旦顧客となったとしても、顧客に対して特別な注意を払わないと少しずつ離脱していってしまいます。(顧客は競合などから刺激を受け続けますので)

また、一般的に、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持する方が低コストであると言われています。(広告を出したり、一から自社の製品・サービスの内容や同業と比較して優れている点を説明する必要がないわけですからね。)

そのため、「新規顧客を獲得する事に軸足を置く前に、既存の顧客を維持することに力を注ごうよ。」というリテンションマーケティングというアプローチが考え出されました。

イメージとしては、「顧客という水をバケツに汲む前に、水漏れをふさいで、水(顧客)が流出しないようにしましょう。」といった感じですね。

■顧客離脱の原因を見つける方法と改善策

なぜお客さんは離れてしまうのか?まずはそこから考えていきましょう。

お客さんが「もうこのお店はやめよう」「もう来るのをやめよう」と思う理由は様々です。たとえば、接客が冷たかったり、商品の品質が下がったり、他にもっと便利なお店を見つけたなどなど様々な理由があります。

これは学校で友だちが離れてしまう理由と似ています。宿題を手伝ってくれなくなったり、一緒に遊ぶ時間が減ったら、仲良し度も下がりますよね。このように一度お客さんになってくれたからと言って油断することができないのが商売の難しいところです。

■原因は?お客さんにきいてみよう

ではこれら様々な理由が考えられますが、どうしたら顧客が離脱してしまう理由が分かるでしょうか?一番単純で一番効果的なのは、そのままお客さんに聞いてしまうことです。

例えば顧客アンケートをとって、お客さんが何に不満を感じているのかを教えてもらいます。また、アンケートだけでなく接客時の会話にもヒントがありますので、お客様の意見を集めます。

さらに、行動データ分析(購買履歴、利用頻度、サイト滞在時間など)を実施したり、SNSでの評判分析などによって不満に感じる部分、自社が不足している部分を可視化できるのです。

■原因がわかったら改善しよう

そして、この調査の結果、重要であると考えられる事✕自社で対応できることが重なる部分を改善していきましょう。

多くの不満は、「値段」「サービス」「品ぞろえ」などになってくると考えられますが、全部を改善することは事実上不可能です。

そのため、自社のコンセプトに合致した中で改善できる部分を改善していくことでお客さんがまた来てくれる確率が高まります。

なお、値段を改善するとしていきなり安くすることは基本的には中小・小規模事業者にとっては禁じ手となります。

価格勝負では大手に絶対に勝てないため(山崎パンや第一パンと同じ値段でパンを提供している街のパン屋さんは無いですよね?)価格勝負にならない改善策を考えていく必要があります。

例えば、顧客ごとの利用履歴に応じた決めの細やかな対応を考えていく、価格はそのままになにか特別な特典を用意するなどです。

また、サービス・サポート品質は研修によって向上を図ることも可能ですし、競合が見てているならば、その競合と自社の違い、自社が競合に対して打ち出していく差別化ポイントの強化などが有効です。

このような分析と改善を継続的に行うことで、LTV向上と安定的な売上基盤の確立が可能になってくるのです。