外貨準備高_001
外貨準備高とは、各国の通貨当局(政府とか中央銀行ですね)が保有している外貨のことを言います。

この外貨とは具体的には、通貨だけでなく外国の国債などの債券であったりします。(外貨準備高と言ってもただ持っているだけではなく、運用しているのですね。)

他には、SDR(IMF(国際通貨基金)の引き出し権)やIMFリザーブポジション(出資金に応じて、IFMよりいつでも借りられるお金の事です)、金(カネじゃなくてキンです)があって、合計4種類となります。

■準備した外貨準備高の増減

さて、この外貨準備高は為替介入の際に増減します。というのは、円安に誘導したい場合には、市場で円を売却して外貨を購入しますし(外貨準備が増える)、円高に誘導したい場合には、市場で外貨を売却して円を購入するためです。(外貨準備が減る)

どうでしょう、この世に説明をすると、「円安への誘導は無限に可能だけど(通貨当局なら、円は無限に発行できますから)、円高への誘導には限界があるのでは?」と考えられませんか?

というのは、円高へ誘導したい場合(過度な円安を食い止めたい場合)、市場介入できる限度は外貨準備高までとなるためです。

■外貨準備と日本経済への影響(どうして外貨を持つの)

外貨準備高は日本経済にとっては、通貨の安定性を示す指標となっています。為替介入をする際の実際の実弾になりますし、対外的な信用を担保する役割にもなります。

日本のお財布に外国のお金(国債などで運用しているもの含めて)が沢山あれば、使いたいときにいつでも使えますよね。ドルが必要になるのがわかっているなら、普段からドルを持っていたら安心ですよね。

このように、国においても海外との取引に備えてドルを持っていれば安心ですし、急に為替介入をする必要が出た時にもドルを備えておくと安心です。

国債金融市場においては、外貨準備が潤沢である国は「支払い能力が十分にある」と考えられるため、信用を得ることが出来ます。その結果、通貨危機などを避けやすくなります。

逆にこの外貨準備が少ないと、「大丈夫?」と不安に思われる可能性があります。例えば、自国通貨が安くなった時に、外貨準備高が潤沢であればドルを打って自国通貨を買うといった為替介入で自国通貨の価値を支えることが出来ます。しかし、外貨準備が少ないと自国通貨が安くなったときに買い支えることができません。

その結果、投機筋などに売りを浴びせられて通貨危機を招くことがあるのです。

なお、我が国は外貨準備高は非常に潤沢ですが、その多くの部分が米国債です。そのため、米国の金融政策の影響を大きく受けます。

■外貨準備と通貨危機ーアジア通貨危機について

こんなことが起こるわけがないと考えるかも知れませんが、実際1997年にアジア通貨危機が発生しました。

タイのバーツ危機を発端に、韓国、インドネシアなどの通過価値が急落してしまいました。

タイが外国からお金を借りていたのですが、十分な外貨準備高がない(と市場に)みなされたため、タイバーツ売が売りを読んで通貨の価値が大きく下がってしまったのです。

その結果、投機筋も含めて一気に売りを仕掛け、大幅な通貨価値の下落と金融システムの大混乱を招いてしまったのです。

この経験から、潤沢な外貨準備高を持っておくことが重要であるとされているのです。

■自国だけで備えないー多国間でスワップ協定を結ぶ

このアジア通貨危機を教訓に、チェンマイイニシアチブという多国間スワップ協定(相互に自国通貨と外貨を交換する協定)が結ばれています。

その結果、外貨準備高の減少が多少あっても外国からスワップを通じて外貨を確保できるので通貨危機に対する抑止力を高めることにつながっています。