覆面介入_001
覆面介入とは、外国為替市場において政府や中央銀行が秘密裏に為替介入を行う事を言います。為替介入を秘密で(覆面を付けて)行うといったイメージの言葉ですね。

さて、なぜ為替介入などワザワザするのでしょうか?「市場が決める事なんだから、いちいち介入する必要などないではないか。」と考える人もいると思います。

しかし、為替の急激な変動はあまり好ましくないと考えられており、市場に任せておくとしばしば行き過ぎた水準に為替相場が動いてしまうといった事があるのです。

そのため、しばしば、様々な国の政府や中央銀行が為替市場に介入するといった事が行われています。
  • 覆面介入と覆面でない介入
「覆面介入があるのなら、覆面をしないで(公表して)介入することもあるの?」と考える方がいると思います。

例えば、政府や中央銀行が為替市場へ介入をした場合、「さっき、介入しましたよ。」といった感じで、介入の事実を公表するようなケースですね。この場合、公表しているので覆面介入ではありませんね。

これに対して、介入した事実を伏せて置くといった事を覆面介入というのです。このまんがのように、なんだかよく分からないけど相場が動いたといったイメージになります。

■覆面介入のメリットとデメリット

ではなぜ覆面介入を刷るのでしょうか?為替相場を誘導するならば、為替介入をしたことを明言したほうがシグナル効果は高くなるのではないでしょうか?

これは、市場に介入がいつでもあり得るといった不意打ちを食らわせる事ができ、投機筋のポジションに強い牽制を行うことができるのがメリットになります。

いつ為替介入が入るかわからないなら、思い切って相場を動かすようなポジションは取りにくくなりますよね?(もし為替介入が有れば、そのときに莫大な損失が発生しますから)

このような心理的効果を狙って為替介入の存在を伏せるのが覆面効果です。

他方で、この不意打ちということが、市場を不安定に指せるケースがあります。当局ではなく民間が登記のために大きなポジションを動かしたと誤解されると、より市場が加熱するケースがあります。

また、通常の為替介入のように動きを公開していないため、

当局が動いた→大きな損失につながる恐れがある→投機を控えよう

といった心理が働きにくく、持続的に効果を発揮しにくいケースもあります。