滞留在庫_001
滞留在庫とは、せっかく仕入れたにもかかわらず、売れなかったり使われなかったりして残ってしまい、売り場や工場などに滞留している在庫のことを言います。

と、難しく書いていますがイメージとしては「売れ残っていつまでもお店にある在庫」の事です。
  • 滞留在庫の問題点
さて、滞留在庫がいくらあっても、直接的に売上原価は増えたりしません。(意外ですか?)そのため、滞留在庫の量が多くても、損益計算書上ですぐには問題は出てこないのです。

但し、それでも滞留在庫が多いのは問題です。それは、次の理由からです。

1.現金が回収できない
在庫を仕入れる時にお金を支払っていますよね?そのお金は在庫が売れない限り回収できません。

イメージとしては、お金が滞留在庫という氷になってしまっているような感じです。

現金という水を循環させて企業は生き残っています。そして、在庫という氷を抱えていると、全体としての水は沢山あっても、使える水が少なくなってしまうといったイメージを持っていただければと思います。

2.付加価値のない管理作業が発生する
滞留在庫があることによって、その在庫品を売場からどかす作業や、売り場に戻す作業、数量の管理作業など様々な作業が発生します。

こういった作業は、いくら行ったとしても別に会社に追加の利益をもたらすことはありません。

ただし、しっかりと管理は行っていかなければならないので、費用だけがどんどん発生していきます。

3.税金もかかる
税金がかかると言っても、別に固定資産税がかかるといった話ではありません。但し、結果として税金を負担しているという話です。

例えば、もう売れない(使わない)ような在庫でも、在庫として持っている限り貸借対照表の資産として計上されます。

という事は、在庫として持っている以上、資産計上されており、費用となっていないという事です。

これが何を意味するかというと、二度と使わないと判断した段階で、当該在庫を処分して費用扱いしていれば支払わないですんだ分の税金を余計に支払ったという事です。

例えば100万円の在庫を処分して、100万円分費用を発生させれば100万円利益が減少します。

その結果、【100万円×税率】分の税金を支払わなくて良くなるという事です。逆に言うと、支払わなくてよい税金を支払っているという事になりませんか?

こういった形で滞留在庫を抱えていると、企業にとっては不利なことが多く発生するのです。

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過剰在庫
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