商社金融_001
商社金融とは、商社が取引の間に入り支払と回収の差を利用して資金を融通する仕組みです。
この記事では、商社金融の仕組みやメリット、資金繰り改善への活用法がわかります。

<簡単な説明>
商社金融とは、商社が取引の間に入って、支払サイト回収サイトの差から、実質的に資金を融資する事を言います。

■メーカーと卸の取引における商社金融の例

例えばメーカと卸売業者が取引をする場合を考えてみます。メーカ側としては商品を納入したらすぐにでも、金をもらいたいと考えているはずです。(短い回収サイトの方が望ましい。)

しかし、卸売業者側としては、支払サイトは長い方が望ましいのです。(回収サイトと支払サイトの差を上手く利用できれば、資金繰りに有利になりますからね。)

このように、お金を払う方と受け取る方ではそれぞれ真っ向から対立する望みを持っているのです。(メーカ側がお金を早く受け取れるという事は、卸売業者側は早く支払わなければならないという事です。)

この時、間に商社が入って、メーカにはすぐにお金を支払い、卸売業者には、彼らが望む長期間の支払サイトを受け入れたらどうなるでしょうか?

実質的に商社がお金を融通していることになりますよね?このような形態を商社金融というのです。

もっとも、商社もボランティアではありませんので、いくらかの手数料を取りますし、そのほかにも自社の影響力を強化したいといった思惑もあったりします。

■ 商社金融のメリットとリスク

商社金融は売り手側(メーカー側)にとっては「先にお金を払ってもらえる」取引です。すぐにお金が入れば、資金繰りがとても楽になりますから。

また、買う側(小売や卸)にとっても、支払いを少し遅らせることが可能です。そのため、「手元にお金が残る。資金繰りが楽になる」といったメリットがあります。

このメリットを簡単にまとめると以下のとおりです。

■商社金融のメリット

  • 製造業者(売り手側)
資金回収が早まり、キャッシュフロー改善に直結します。お金を借りてくるのと同じメリットですね。
  • 卸・小売(買い手)
支払サイトを延長でき、資金繰りの余裕が増します。これもお金を借りてくるのと同じメリットです。
  • 商社側(お金の貸し手)
製造業者や卸・小売など資金を提供する側と取引関係を強化し、手数料収入を得られる。


次にリスクをまとめみるとそれぞれ以下のとおりです。

■商社金融それぞれのリスク

  • コスト負担(製造業者、卸・小売など資金の借り手側)
商社への手数料や金利相当分が発生します。勝者もボランティアではないので、たとえば「先にお金を払う代わりに1%分を差し引く」などの取引条件を課されるケースがあります。このような手数料は長期的には利益圧迫要因となります。
  • 依存リスク
商社金融に頼りすぎると、自社の資金繰り改善努力が後回しになり、経営の健全性を損なう可能性が高くなります。

また、依存は資金面だけでなく取引先の開拓や取引条件交渉機能など本来自社がやるべきコア業務を勝者に依存するといった事もありえます。コア業務は自社でできるようにしておくことが肝心です。自社でもできるけどお願いするといった発想ですね。
  • 信用リスク
商社が間に入っても、最終的には取引先の支払能力に依存するため、取引先の倒産リスクはゼロではありません。契約次第ですが、この種のリスク移転を行いたいならば、商社金融の取引条件は一層厳しくなります。

このように、商社金融は資金繰り改善に有効な手段である一方で、コストや依存リスクへの注意が必要となってきます。

結局は「便利さの分だけお金がかかる」のですね。