
SPA(製造小売)とは、製造から小売までを一貫して行う垂直統合型のビジネスモデルです。
本記事では、SPAの意味や仕組み、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
<簡単な説明>
SPAとは、製造から小売までを統合して一貫して行うという業態の事を言います。日本語では製造小売といった言葉があてられています。
さて、この言葉を最初に使ったのはGAPの会長です。自社を評してSpeciality store retailer of Private label Apparelと述べたことからSPAとされているのです。
■SPAの優位性とは
製造から販売までという事ですから、垂直統合の究極の形の一つであると考えられます。このような業態では、物流の各段階でのコストを削減することができるので非常に大きな利幅を確保することができます。
垂直統合の場合、製造、卸、小売がそれぞれ存続できるだけの適正な利潤があるわけですから、それらをすべて自社でやることで利潤を総取りできるという発想です。経営資源の重複を排除できる範囲の経済も効いてくるので強いのですね。
垂直統合の場合、製造、卸、小売がそれぞれ存続できるだけの適正な利潤があるわけですから、それらをすべて自社でやることで利潤を総取りできるという発想です。経営資源の重複を排除できる範囲の経済も効いてくるので強いのですね。
その一方、自ら企画・製造して販売まで行う為、売れなかったときの損失をそのまま負う事になります。それも、製造、卸、小売にかかるすべての損失を負うためリスクはとても大きくなります。
また、製造や企画、物流、販売、店舗管理といった通常はその一つ一つに対して非常に高い専門性を持たなければならないような領域に対して、全て自社でこなさなければならないといった問題もあります。
また、製造や企画、物流、販売、店舗管理といった通常はその一つ一つに対して非常に高い専門性を持たなければならないような領域に対して、全て自社でこなさなければならないといった問題もあります。
つまり、各分野の第一線にいる競争相手と真っ向勝負しないといけないのですね。例えば洋服屋さんがSPAを志向する場合、
- 製造では一流の縫製メーカー等と競合し、
- 卸や物流面では、一流の物流企業などと競合し、
- 小売面では、一流の店舗オペレーションを誇る事業者と競合します。
また、自社内に製造機能や物流機能などを抱えることは固定費の増加を意味します。市場変化を読み誤ると、大量の在庫が発生したり製造ラインや物流施設の遊休化が発生しやすく、損益への影響は甚大です。
特に消費者の嗜好は多様化・細分化していますので、トレンド予測精度と在庫管理能力の優劣が競争優位に直結します。徹底してオペレーションを磨き上げる必要があるのですね。(そのため、工場を持たないで固定費を抑えるファブレスを組み込んだビジネスモデルを採用する大手企業もあります(ZARAが有名ですね))
このようにSPAは、なかなか舵取りが難しそうですよね?なので、割と多くの人が思いつくビジネスモデルですが、実際に取り組む人は少ないビジネスモデルだったりします。
■変化にすばやく対応できるというSPAの強みと弱み
競合面から考えてきましたが、今度は変化に素早く対応できる、顧客ニーズへの対応面から考えていきます。
SPAは、商品を作るところからお客さんに売るところまで全部自分でやります。このようにSPAは製造から販売まで垂直統合しているため、情報の伝達がとても速く行うことが可能です。
その結果、意思決定から商品化、商品化から店頭に並べるまでのリードタイムを短縮できます。
例えば服屋さんなら、流行している色や形をすぐに商品にしてお店に並べることが勝負の分かれ目になります。洋服もナマモノなのですね。そのため、店頭で掴んだトレンドなどを反映した商品開発が重要となります。
SPAの形態であればPOSデータや店舗スタッフからのフィードバックを即座に企画部門へ反映し、数週間単位で新商品を投入することすら可能だったりします。
店頭に並べるという意思決定から商品化、商品化から店頭まで並べることを外の会社にお願いするよりも早く動けるので、流行に乗りやすいという強みがあるのですね。
これにより短期的なトレンドや季節需要に的確に対応できます。
他方で、極めて短期的な流行(ファッドといいます)にのってしまうと大変です。意思決定がから店頭投入までが早いのはいいのですが、様子見といったフェーズが無いので、たくさん作った商品がそのまま不良在庫として残ってしまうことが発生しがちです。
SPAは、商品を作るところからお客さんに売るところまで全部自分でやります。このようにSPAは製造から販売まで垂直統合しているため、情報の伝達がとても速く行うことが可能です。
その結果、意思決定から商品化、商品化から店頭に並べるまでのリードタイムを短縮できます。
例えば服屋さんなら、流行している色や形をすぐに商品にしてお店に並べることが勝負の分かれ目になります。洋服もナマモノなのですね。そのため、店頭で掴んだトレンドなどを反映した商品開発が重要となります。
初出:2013/05/05
更新:2025/08/12
SPAの形態であればPOSデータや店舗スタッフからのフィードバックを即座に企画部門へ反映し、数週間単位で新商品を投入することすら可能だったりします。
店頭に並べるという意思決定から商品化、商品化から店頭まで並べることを外の会社にお願いするよりも早く動けるので、流行に乗りやすいという強みがあるのですね。
これにより短期的なトレンドや季節需要に的確に対応できます。
他方で、極めて短期的な流行(ファッドといいます)にのってしまうと大変です。意思決定がから店頭投入までが早いのはいいのですが、様子見といったフェーズが無いので、たくさん作った商品がそのまま不良在庫として残ってしまうことが発生しがちです。
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