取引数最小化の原理_001
取引数最小化の原理とは、卸売業が存在することによって全体の取引数が減り、生産性が増す事を表している言葉です。

世の中には、卸売業者に対して、「卸売業者が介在すると、流通経路が長くなって…」とか、「直接取引した方が効率的だよ…」といった批判的な意見があります。

確かに、生産者と消費者が直接取引を行えば、卸売業者に支払う費用を考えないでいいので、生産者はより高く売ることができますし、消費者はより安く買う事ができます。

しかし、「そのような流通形態は社会全体でみると実は非効率であり、卸売業者が存在していることによって、むしろ効率的になっている」という指摘がこの取引数最小化の原理なのです。

では、どうして卸売業者が介在した方が効率的になるのでしょうか?これを取引数から検討してみたいと思います。

まずは、3個の供給者が8人の消費者に販売することを考えてみます。上の「会社の絵が供給者」、下の「顔の絵」が消費者を表し、線の一本一本が取引を示しています。
取引数最小化1
どうでしょうか、たくさんの取引が交錯していますよね。この場合、取引の総数は3×8の24となります。

一方、間に卸売業者が介在したらどうなるでしょうか?
取引数最小化-卸
先ほどの図と比べると、すっきりしていますよね。この場合、取引の総数は3+8の11となりますよね。

取引の総数が少なくなるという事は、取引にかかるコストが少なくなるという事を意味しているのです。
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