パックマンディフェンスとは、買収防衛策の一つで、買収されそうになっている側が買収を行おうとしている側に逆に買収を仕掛けることを言います。
さて、唐突にパックマンディフェンスと言われても、「パックマン?なにそれ?」という人もいるかもしれませんね。
■キミはパックマンを知っているか?
昔、パックマンという非常に有名なゲームがありました。このゲームは『パックマン』というキャラクターが主人公なのですが、非常に脆弱で敵キャラに触れただけで死んでしまうというキャラクターでした。(まあ、昔のゲームによくある感じですよね。)
基本的には逃げ回るだけなのですが、それだけでは面白くないと考えたのか、一発逆転のアイテムが用意されていました。
基本的には逃げ回るだけなのですが、それだけでは面白くないと考えたのか、一発逆転のアイテムが用意されていました。
しかし、ゲーム中であるアイテムを取る事によって、逆に敵キャラを飲み込むことができるようになるのです。
この事になぞらえて、買収されそうな側が逆に相手を飲み込んでしまうような買収防衛方法をパックマンディフェンスと呼ぶのです。
■パックマンディフェンスは簡単ではありません
さて、買収を仕掛けてきた側を逆に飲み込んでしまう。なんか痛快な感じがしますが、そう簡単なものではありません。
でも、パックマンディフェンスを行う側にとっては、買収の防衛策という目的だけで、相手企業を買収しようとしているわけですから、いざ買収が上手くいっても得るものが少ない可能性があります。
つまり、大義名分があまりなく、既存経営者の保身と取られかねないのです。そのため、既存株主の協力を得ることが難しいケースがあります。(既存株主にとっては企業価値の向上が目的であって、既存経営者はその目的を果たすための代理人ですから。)
ただし、完全子会社にして少数株主をスクイーズアウト(締め出そうとしてる)しようとしているなどの事情がある場合は協力が得られるかも知れません。
また、相手が株式を公開している企業でなければこの手は使えないといった問題点もあります。
■日本においては相手方株式の25%の取得を目指す
諸外国においてのパックマンディフェンスは相手方を逆買収する事が目的です。小さい企業が買収先の資産を担保に資金を集めて、LBOなどを仕掛けてきたような場合に、逆に返り討ちにするようなイメージです。
しかし、日本においては相手を飲み込む必要はありません。会社法によって相手の株式の1/4以上を保有すれば(25%以上ですね)相互保有株式となって、相互に議決権を行使できなくなるためです。
そのため、返り討ちにするといった事はできませんが、パックマンディフェンスを利用した防衛はやりやすくなっているのです。(といっても全面戦争となりますし、株主にとっては経営者の保身のために企業の経営資源を浪費しているともとられかねないことから、非常に使いにくい方法です。)
解説で出てきた用語・関連用語
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