相対取引(「あいたいとりひき」と読みます。)とは、市場を通さないで当事者間で1対1で取引を行う方法のことを言います。
取引相手と直接取引を行うわけですから、どういった方法で売買をするのか、いくらで取引をするのかを自由に決めることができます。
イメージとしては、「市場価格は○△円ですが、こういった条件なら、この資産を○○円で売りますよ。」という人に対して「じゃあ買いますよ。」といった感じで相対の取引が成立するという感じです。
そして、この相対取引は外国為替市場など金融関係の取引の際に使われる言葉です。
取引所を通さないで売り買いをする一般的な商品の取引は、言葉の上では相対取引ですが、わざわざ相対取引とは呼びません。また、不動産の取引も基本的には相対取引となりますが、こちらもわざわざ相対取引である事はあえて強調したりはしません。
そのため、わざわざ相対取引という言葉を使うのは、市場が成立している株や債権、外国為替などが主となります。
■どのような場合に相対取引を行うの?
株式市場に上場している株式などでは市場で取引をすることができます。そしてそれが一般的です。
また証券市場を通せばカウンターパーティーリスクを回避できるなど利点があります。
それにもかかわらず、ワザワザ相対取引をする理由は何でしょうか?リスクを追加で犯すわけですから、それなりのメリットがある必要がありますよね。
■相対取引の場合市場価格に影響を与えないで済む
それは、相対取引をすれば株価の変動を抑えられるといったメリットがあるためです。
この相対取引は市場を通さない当事者同士での取引となります。そのため、大量に株式等を売買しても市場価格に影響を与えずに済みます。
例えば、ある会社の発行済み株式を大量に手に入れたいと考えたとします。このような場合、市場を通して買い集めようとするとどんどん株価が上がっていってしまい、結局いくらあれば買収できるのかが分かりません。
しかし、市場外で相対取引で買い集めれば株価の上昇は考えずに株式を集めることができるのです。(もっとも、本当に大量に買い集めようとした場合TOBを行う必要があります。)
また、市場価格と全く異なる価格であっても当事者が合意すれば取引可能となります。(ただし、市場価格と著しく違う場合は税金の問題が発生するので税理士さんとちゃんと相談することが大切です。)
新聞でーす
へー、あそこの会社はやるわねー。市場外で相対取引で株式を買い集めたから、当初の予算で企業の買収に成功したみたいよ。
どうして、市場を通さなかったんですか?
市場を通すと、どんどん値上がりしちゃうからね。そうすると必要なだけの株式を集めるためにどれだけお金がかかるかわからないからよ。
そうなんですね。でもそれだったら売る側は市場で売った方がお得っぽいですけどねー
解説で出てきた用語・関連用語
TOB
カウンターパーティーリスク
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