最恵国待遇_001
最恵国待遇とは、ある国に与えた最も有利な待遇を他国にも同じように与えるという国際貿易上のルールです。

この記事では最恵国待遇の意味や具体例、なぜ重要なのかをわかりやすく解説します。

■固い定義では

最恵国待遇とは、ある国に対して、通商や航海、関税などで第三国と比較し不利にならないような待遇を約束することを追います。英語ではmost favored nation treatmentと表記します。

何処と比べても不利ではない待遇→最も恵まれた国の待遇というイメージになります。

どうでしょうか?イメージつきますか?スケールが大きすぎるので、これを人に置き換えて説明してみます。

例えば、宮城国さんが栃木国に最恵国待遇を与える場合を考えます。また、栃木国は宮城国さん保有の駐車場を一時間400円で使用する権利を与えられていたとします。

この時、宮城国さんが長野国さんに「駐車場を一時間300円で使っていいよ」との契約を結んだとします。

この場合、最恵国待遇が与えられている栃木国にも、自動的に「駐車場を一時間300円で使用する権利」が付与されます。

というのは、栃木国が駐車場を一時間400円で使用すると、一時間300円で使える長野国さんに比べて不利ですよね。(不利という事は最恵国ではありませんよね)

その為、栃木国さんが最も恵まれているというためには、最低限、駐車場を一時間300円で使える必要があるのです。

■WTOと最恵国待遇

WTO(世界貿易機関)では加盟国は加盟国同士、お互いに最恵国待遇を与えることがルールとなっています。

例えば、我が国が南米の何処かの国と二カ国で関税率を下げる協定を結んだとします。その場合、他の加盟国への関税も下げる必要があるのです。

これは、特定国との貿易を特別に有利にする(逆に言えば他の国との条件が不利になる)事をできなくし、透明性と予測可能性を高めているのです。つまりいわゆる「えこひいき」をなくして公平に貿易をするためのルールなのですね。

なお、自由貿易協定(FTA)や開発途上国向けには特恵関税制度などを結ぶことは認められています。(TPPなどが有名ですね)

■なぜ最恵国対応が必要なの

最恵国待遇という考え方が存在する理由は、国ごとに違う条件をだしていくと貿易の条件が複雑になりすぎるためです。

例えば、日本がA国には関税5%、B国には関税10%、C国には関税15%と言った条件を設定していくと、企業は国ごとの条件を把握するために大変な苦労をする必要があるのです。

また、特定の国を優遇すると、優遇されていない国との間で対立が発生することがあり得るのです。上の例ではC国とA国では条件が結構違いますよね。

そのためWTOでは原則として加盟国は同じ条件を与える最恵国待遇を採用するのです。

その結果、貿易ルールがわかりやすく整理され、企業の見通しも立てやすくなるのです。

■内国民待遇との違いは

最恵国待遇は「外国同士を平等に扱う」というルールです。コレに対して内国民待遇は「外国企業と国内企業を平等に扱う」というルールです。

どちらもWTOでは重要な原則ですが、比較対象が異なってくるのです。