社販とは社内販売の略称で、企業の従業員向けに自社の商品やサービスを販売することを言います。
一般的には、市場価格よりも低価格で販売されるため、従業員がその商品やサービスが欲しいのならば福利厚生の役割を果たします。
(お歳暮とかの時期に、欲しくもない引き出物を大量に買わせるとか、自社製品の洋服を着るように強制的に(もしくは同調圧力を用いて半強制的に)買わせるのは福利厚生とは言えないと思いますが。)
■どうして市場価格よりも安くするの?
1.社販で価格を安くできる理由は(コスト面)
さて、なぜ企業がその従業員向けに商品を販売するのでしょうか?一般的には、市場での小売価格よりも安く販売するという事ですから社内販売は「採算度外視の福利厚生目的ですよね?」といった風に思われる方もいるかもしれませんね。
確かに、そういった面もあるかもしれません。しかし、流通経路を短縮して直販できますので、市価よりも低コストで販売する事ができます。
また、累積販売数が増えれば、将来的には経験曲線効果も効いてきます。
このように、単に安く販売したとしても、企業側には一定のメリットがあるのです。
言い方を変えれば、小売価格との差は広告宣伝費のようなのものなのですね。(だったら、原価割れで売ってあげればいいと思いますが、さすがに原価割れにはならないようです。)
関連用語
カフェテリアプラン
BtoE
2.広告宣伝の側面
特にアパレル関係のお仕事では、従業員さんが自社ブランドの商品を着て接客にあたったりします。
「僕もその商品の色違い持ってますよー」といった接客です。でも接客をしっかりやってくれるようなお店って、ある程度いいお値段がするお店ですよね?
とすると、冷静に考えてみて、そんなことをしていたら従業員さんはお給料のほとんどを(場合によってはお給料以上)自社のブランドの商品を身につけることになります。
一方、求人広告などを見てみると、アパレルの販売のお仕事は安くはないにしても、めちゃくちゃ高給取りというわけではありません。
このからくりも社販を知っていれば説明できます。この場合は販売員さん自体がマネキンのように着こなしをアドバイスするために自社の商品を社内販売で購入しているのです。
言い方を変えれば、小売価格との差は広告宣伝費のようなのものなのですね。(だったら、原価割れで売ってあげればいいと思いますが、さすがに原価割れにはならないようです。)
社内販売制度を導入するわ。ウチの社販は仕入れ原価で売るわよ!
仕入れ原価で売ったら、損するんじゃないんですか?安売りは御法度だってオーナーさん自身も言っていたじゃないですか?
社内販売なら理由が明確だからブランド価値を壊すことはないと考えられるわ。福利厚生よ、福利厚生。あ、もちろん転売は禁止よ?もちろん買うわよね?
あれですよね、仕入れすぎたから社内販売で原価で処分するんですよね?同調圧力をかけて買わせるつもりかも知れませんけど、僕らは喋るぬいぐるみってだけなので、お金持ってませんよ。
■社販で買えるモノと買えないモノ
上記のような広告宣伝の側面があるため、どうしても新規投入される商品が社販で購入できるモノとなります。
アパレルの場合は季節を先取りしますので、夏の盛りに秋物の服を購入することはできますが、必要に応じて夏物を購入すると言ったことは難しくなります。
ただし、福利厚生の側面もあるため、家族割引といった制度もあります。お洋服が好きな人にとっては、社内販売は実質的な購買力増加となりますのでお給料以上に得るものがあるかも知れませんね。
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