黒字倒産_001
黒字倒産とは、利益が出ているのに現金不足で会社が倒産してしまうことをいいます。

この記事では黒字倒産が起こる理由や、黒字倒産について考える際に必要な「利益」と「現金」の違いについて解説します。

■帳簿上、黒字でも倒産するから黒字倒産です

帳簿上は黒字(利益)が出ているにもかかわらず倒産してしまう事を指します。黒字なのに倒産してしまうので、黒字倒産です。

そのまんまの用語ですね。

さて、黒字なのに倒産?って思われた方もいるかもしれません。損失が沢山出て、結果として倒産するというのはイメージが付きやすいと思いますが、黒字なのに倒産ってどういうことなのでしょうか?

■現金と利益は違います

ところで黒字になるってどういうことだと思いますか?一番素朴でわかりやすい答えが「お金が増える事」ですよね。

でも、お金は増えないけれども黒字になるってことがあり得るのです。「どういう事?」って思われた方もいると思いますのでご説明をします。

■お金の動きと損益は一致しません

まず、黒字とか赤字というのは会計上の概念であって、現金の動きとは関係ない話です。

例えば、商品を100万円仕入れたけれども、一つたりとも売れなかった場合を考えてみます。

現金を使ってしまったけれども、売り上げが発生しないという、大赤字のイメージになりますよね?でも、この段階では赤字ではありません。

なぜかというと、この段階では100万円の現金という資産を使って、100万円分の商品という資産を買ったに過ぎないからです。

そのため、このまま決算日を迎えた場合、貸借対照表上の資産の部(流動資産)に商品を100万円分計上して終わりです。(損益計算書は関係しないため、赤字も黒字も出ません。)

どうでしょうか?直感と異なる結果ですか?

■倒産に至る例

次に、倒産になる例を挙げます。

今度は、現金を50万円しか持っていない会社が100万円分の商品を2か月後払いの掛け(後払いとか「つけ」といったイメージです)で仕入れたとします。

今回は、商品10万円分が30万円で売れて現金が入ってきたとします。この場合、売上原価が10万円で30万円の売上になっているので20万円が黒字になります。

しかし、この後は一切売れずに支払日を迎えたとします。

請求された100万円に対して現金は80万円しかありません。つまり、黒字だけど倒産してしまいました。

こういった現象を黒字倒産というのです。

■売れていても現金が入るとは限りません

上の例では、とにかく売れたらすぐに現金が入っていましたが、後払いで仕入れたと言っています。

コレは裏を返せば、自社の取引先も後払いで買うことがあるということです。

会社同士の取引では売ったり買ったりした瞬間に現金を動かすのではなく、まとめて月末に支払ったりすることがあります。

しかし売れたなら、売上になりますし、利益も会計上はでてきます、

しかし、実際のお金は入ってきません。(月末払いになるケースがありますので)

この、売上と現金の動きのズレが黒字倒産の大きな原因となるのです。

■売上急増局面は危ないです

利益計上と現金回収のタイミングが一致しないことがあると上で述べています。

それでは売上が急増する局面ではどうなるでしょうか?

例えば良い製品を開発することに成功し、売上が急増したケースを考えます。取引条件は掛け売り(売掛金)で入金が3ヶ月後になるケースを考えます。

また、材料を仕入れてから製造まで1か月かかるとして最初の売上が入ってくるまで何か月かかるでしょうか?

この場合、材料を仕入れて1か月かけて製造します。その後、すぐに売れたとしても入金まで3か月の合計4か月かかります。

しかし4ヶ月分の仕入れ代金や人件費、税金、借入金の返済など現金の流出は続きます。

この場合、4か月分の現金流失に耐えられなければせっかく良い製品を開発しても資金ショートを起こしてあえなく倒産してしまう可能性があるのです。

■現金の管理が重要です

このように、売上や利益だけをみていると黒字倒産に陥る危険性があるのです。そのため、小規模事業者や中小企業では特に以下の内容を気をつけていくことが重要です
また、売上急増局面においてはつなぎ資金として運転資金が必要になりますので事前に金融機関に相談しておくことが重要です。

運転資金がいくら必要であるかは

増加運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務】

で計算できます。増加運転資金を明確にして金融機関に相談にいくと金融機関も話を聞いてくれやすいのであらかじめ考えておくことが重要です。


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