黒字倒産_001
黒字倒産とは、帳簿上は黒字(利益)が出ているにもかかわらず倒産してしまう事を指します。黒字なのに倒産してしまうので、黒字倒産です。

そのまんまの用語ですね。

さて、黒字なのに倒産?って思われた方もいるかもしれません。損失が沢山出て、結果として倒産するというのはイメージが付きやすいと思いますが、黒字なのに倒産ってどういうことなのでしょうか?
  • 現金と利益は違います
黒字になるってどういうことだと思いますか?一番素朴でわかりやすい答えが「お金が増える事」ですよね。

でも、お金は増えないけれども黒字になるってことがあり得るのです。「どういう事?」って思われた方もいると思いますのでご説明をします。

まず、黒字とか赤字というのは会計上の概念であって、現金の動きとは関係ない話なのです。

例えば、商品を100万円仕入れたけれども、一つたりとも売れなかった場合を考えてみます。

現金を使ってしまったけれども、売り上げが発生しないという、大赤字のイメージになりますよね?でも、この段階では赤字ではありません。

なぜかというと、この段階では100万円の現金という資産を使って、100万円分の商品という資産を買ったに過ぎないからです。

そのため、このまま決算日を迎えた場合、貸借対照表上の資産の部(流動資産)に商品を100万円分計上して終わりです。(損益計算書は関係しないため、赤字も黒字も出ません。)

どうでしょうか?直感と異なる結果ですか?

では、倒産になる例を挙げます。

今度は、現金を50万円しか持っていない会社が100万円分の商品を2か月後払いの掛け(後払いとか「つけ」といったイメージです)で仕入れたとします。

今回は、商品10万円分が30万円で売れて現金が入ってきたとします。この場合、売上原価が10万円で30万円の売上になっているので20万円が黒字になります。

しかし、この後は一切売れずに支払日を迎えたとします。

請求された100万円に対して現金は80万円しかありません。つまり、黒字だけど倒産してしまいました。

こういった現象を黒字倒産というのです。

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