短期経営計画_001
短期経営計画とは、半年や一年くらいの比較的短期間を対象とした経営計画のことを言います。

比較的短期の計画ですので、長期経営計画中期経営計画の中身を具体的な数値に落とし込んだような計画となります。

例えば、中期経営計画でA地区の市場シェア一位を目指すという計画があったとします。

「目指せA地区市場シェア一位」と言われただけでは今年や今月、何をすればいいのかわかりませんよね?

でも、中期経営計画を一年単位の短期経営計画で「今年はA地区に一店舗出店し、さらに集中出店(ドミナント戦略)を行うために調査を行う」とされれば、具体的に何をすればいいかが分かりますよね?

このように、中・長期の経営計画で目指すべき姿を、短期経営計画で具体的な行動計画を決めていくような計画です。

そして、しばしば短期経営計画は予算計画といった形で決められます。

■短期経営計画を作ってみよう(事例:飲食業A社の場合)

ここまで短期経営計画の考え方を見てきましたが、実際にどのように作成するのか、具体例で見てみましょう。

■短期経営計画の位置づけ

まず位置づけを明確にします。例えば、

目的:中期経営計画に基づいて、今期の顧客基盤を強化する
期間:2025年4月から2026年3月
方針:「リピート率増大」による顧客数増大

といった感じで、なんの目標であるかを明確にします

■数値目標

売上高:1440万円(前年比10%増)
客単価:3000円(現状維持)
月間客数:400名
リピート率:60%(+5ポイント)

■行動施策

・販促
再来店を促すクーポン配布
地域イベントと連携し、周知を図る
・メニュー改善
旬のものを取り扱い、季節感を提供する
・運営
スタッフ研修による接遇力向上、接客品質の統一

このように、短期経営計画では「中長期の目標」を1年単位の行動と数値目標にブレイクダウンしていくことが重要です。



実務面からの加筆:
計画って社長の頭の中には存在していたりします。なので、コンサルを名乗る部外者が理想論を掲げた変な計画を持ち込むよりも、社長の思いをそのまま実行したほうがうまく行ったりすることも多くあります。

ただ、だからといって計画を見えるように書き出すことは無駄だと考えるのは早計です。

短期経営計画を見えるように書き出しておくことはとても有効なことなのです。


まず、手を動かして書き出すことで計画の中身がより深まります。

また、その日の気分に左右されてしまい、方針が徹底されないといったことも防ぐことができます。(どんな社長でも人間ですから)

そのため、仕事が忙しいとは思いますが、「経営計画なんて必要ない!」と思う社長さんこそ、ぜひ一度立ち止まってチラシの裏でもいいので書いてみてください。

きっと発見があって明日からの仕事に芯が通ることがわかると思います。


初出:2013/03/21
更新:2025/06/04