後発優位_001
後発優位とは、既にある市場に参入する事で既に参入している競合に対するメリットを言います。

既にある市場ですから、確実にそこに顧客がいるという事ができますし、社内調整(稟議制度などを利用)もやりやすいと思われます。

新しい市場へ参入した場合、先発優位を得ることはできますが、確実に売れるかどうかは誰も保証してくれないのです。(売れると思って製品を作ってみたけど、誰もそんなものを欲しがっていなかったという事もあり得ますよね。)

さて、後発優位とはどのようなことでしょうか。以下、説明をしていきます。
  • 広告宣伝費用を節約できる
全く新しい製品を世に送り出した場合、それが「どのように消費者の生活を便利にするのか?」といった点をアピールしていかなければなりません。

しかし、既存の市場に参入する場合には、そういった事に費用をかける必要はなく、「競合と比較してウチの方がいいよ(便利だよ)」とアピールするだけで大丈夫です。
  • リスクを避けられる
先発企業が事業を行っているという事は、そこには顧客がいる事の証明になります。そのため、新市場に参入してみたが、顧客がいなかったというリスクを避けることができます。

関連用語
ファーストムーバーズアドバンテージ
セカンドムーバーズアドバンテージ

■君は退職代行業を知っているか?

筆者はこの後発優位で極めて強い優位性を発揮した業態があると考えます。

それは、「退職代行業」です。

少し前はそんなニーズが存在するなんて誰も考えつかない業種でした。そして、そのようなニーズを初期にこの市場へ参入した先発企業が、「そもそも退職代行とは何なのか?」といった啓発活動から始めていき、退職代行は「退職交渉なのか(法律的に交渉できるの?)、意思表示(代理なの?)なのか?」など様々な法律的な論点もクリアーしていって定着させる必要がありました。

このような、利用者側の法的懸念や倫理的な疑問にも対応しつつ、サービスの意義を社会に伝えていく必要があり、それをやり遂げたのです。

しかし、後からこの市場に参入した企業は、「退職代行」という言葉自体が広く認知された後だったため、その説明に広告費を割く必要がほとんどなくなりました。

加えて、先行企業が築いた価格帯や対応内容などの「業界標準」に乗ることで、比較的スムーズに顧客獲得ができるという後発優位を享受できたのです。

さらに、先行企業が法的トラブルや炎上などの失敗を経験していれば、それを教訓に「信頼性」「弁護士監修」場合によっては「労働組合としての交渉」などの付加価値を訴求しやすくなります。このように、後発企業は先行企業のノウハウや失敗事例を参考にしながら、より洗練されたサービス提供が可能となったのです。

■実務面からの追記(競合が参入してきますのでその対応が重要です)

実務的には、大企業でないあなたが考えた画期的なビジネスには必ず競合が参入していきます。

そのため、(知的財産権:特許権や実用新案)などを使って法的に参入ができなくする、(知的財産権:商標権)を確保して他社が類似の名称で参入できなくするといったことが行われます。

また、この他にもロビー活動を行って法規制をしてしまうとかいろいろな手法が存在はしています。

なお、参入障壁のセオリーとして規模の経済を追求し、多大な投資をしないと参入できないようにするなどがありますが、自分の会社よりも経営資源が乏しい企業に対しては有効ですが、自社よりも大きな企業に対しては難しい参入障壁の作り方になります。

■簡単にできる参入障壁

特許を取ったり許認可が必要な業種であると法規制してもらうなどはかなり強い参入障壁ですが、そこまでできなくても、心理的な障壁(スイッチングコストを高める)ことやブランド価値を高める、信頼感を高める(弁護士監修とかの明記)、非常に多い実績を作るなどで参入障壁を築くことは可能です。

少なくとも、何らかの参入障壁を作らないと、お城のない戦国大名のように脆弱な立場になってしまうので、意識して参入障壁を作っていく必要があります。

なお、逆にあなたが新規参入して後発優位を取ろうと考えた場合、相手はこれらの参入障壁というなの城を築いていますから、何処から攻めるか、自社が先発企業と比較して勝っている部分はどこかを冷静に見極めることが重要です。

関連用語
参入障壁

初出:2013/03/17
更新:2025/06/29