ドミナント戦略_001
ドミナント戦略とは、一定の限定した地域内に集中的に出店する事を言います。英語ではdominantと表記されます。

このドミナント戦略を一言で説明すると、集中的に出店をするという事です。例えば、「ある駅を降りたら、北口にも南口にも同じお店がある。さらに隣の駅や駅から少し距離のある住宅地の中にもお店がある」といった感じですね。

自分たちのお店で、この地区を埋め尽くすという感じです。
  • そんなに集中したら…
さて、集中的な出店って聞いてどのようなことをイメージするでしょうか?自店が互いに競合してカニバリゼーション(共食い)のような事をおこすかもしれないですよね。

おそらく、自店間で顧客を奪い合うという面はあると思います。

また、集中して出店しているわけですから、その商圏に何か想定外の事が発生すると根こそぎダメージを受けてしまうという事が挙げられます。

例えば、 大きなバイパスができて交通量が一気に減少したような場合、集中出店しているお店すべてがダメージを受けます。また、地域に大きな災害が発生したような場合にも非常に大きなダメージを受けてしまいます。

でも、このドミナント戦略にはこのデメリットを補うような大きなメリットがあるのです。
  • ドミナント戦略のメリットって
集中出店している場所では、どこへ行っても自分たちのお店があるという状況になります。

すると、物流の効率化といった効果が出てきます。これは、一つのエリアに沢山の自分たちのお店があれば、余計な移動を行わずに商品を配送できるといった効果です。

また、地域内での市場シェアが高まります。ポイントカードとかの施策を行っても効率的に行う事が可能となり、顧客を自分たちのお店で囲い込むことも可能となります。

さらに、広告宣伝も非常に効率的に行うことができます。自分たちのお店がある範囲に絞って集中的に広告宣伝を行えばいいわけですから、広い範囲に広告宣伝を行うよりも効率的なのです。

もう一つ指摘できるメリットとして、競合店の出店を未然に防止する事ができるといった面があります。既存の店が集中的に出店している地域には中々出店してシェアを奪うのが難しそうですよね?そのように競合が考えるという事は、心理的な参入障壁が高まるという事です。

このように、集中しているが故のメリットというものも確実のあるのです。 
  • ドミナント戦略に対抗するためには
さて、ドミナント戦略の利点はわかりましたが、中小企業はこれにどのように対抗していけば良いのでしょうか?

こういった集中出店戦略に対して正面から対抗できるだけの経営資源のある企業はそれほど多くないですし、仮に経営資源があったとしても真っ向から迎え撃つ事はおすすめできません。

行き着く先は血で血を洗うレッドオーシャンになってしまいますので。

この場合、中小企業は自分の土俵で勝つことを考えていくことが王道になります。
  • 具体的には
例えば、地元で長く酒屋さんを営んでいる中小企業があったとします。あるとき、大手コンビニチェーンが自店の周りに数店舗出店してきたとします。

このときにどのように対抗すべきでしょうか。相手より安くするとか相手よりも利便性を高くするべきでしょうか?

おそらく、相手の仕入れ値は自社の仕入れ値よりもずっと安いはずですし、利便性も24時間開店し続ける相手にかなうはずもありません。

そのため、自社の顧客層にとっての利便性を高める方向に進む必要があるのです。

例えば、居酒屋などに酒屋さんならではのお酒を卸す、珍しいワインを取り扱う、特別な日用の特別なお酒を接客販売して売るなどいくつかの手が考えられます。

客層で、販売方法で、商品で大手コンビニよりも勝っている点はないでしょうか?こういったことを考えて、棲み分けをしていくのです。

関連用語、説明で出てきた言葉
レッドオーシャンランチェスター戦略


似た言葉
ドミナントデザイン 

ストーリーで解説経営用語
第2話 集中出店は効果的?効果が大きくなればリスクも大きくなります
 
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