TOB(株式公開買い付け)_001
TOB(株式公開買い付け)とは、不特定多数の人に「買取価格・買取期間・買取株数」を公告し、証券市場外で株式を買い付ける制度のことを言います。英語ではtake over bidと記述されることからTOBと略されます。

■買い取り価格を明示することに意味があります

さて、特定の会社の株式を大量に取得したい場合に、通常の取引通り証券市場を通じて行ったらどうなるでしょうか?

沢山の買い注文を入れるという事ですから、たちまち株価が高騰してしまい、当初予定していたよりも大きなお金がかかってしまうかもしれません。

また、高騰を避けようとして少しずつ買い集めると時間がかかりますし、株式を誰かが買い集めていることに第三者が気がついた場合、価格をつり上げられてしまうリスクもあります。

すでに当該株式を持っている人にとってはとてもうれしいと思いますが、買収をしようとしている企業にとっては買収金額が予想できませんし、場合によっては資金がつきてしまい買収自体ができなくなってしまいます。

また、首尾よく株を買い集められなかった場合、購入した半端な株式を処分しなければならなくなります。

このように、株式の買い付けのリスクが非常の大きくなってしまうのです。

■TOBは買収側にとって有利な制度


しかし、TOB(株式公開買い付け)では、あらかじめ「一株500円で、一か月以内に、百万株購入します」といった情報を公告して買い集めるため、買取価格は「一株500円」というのは途中で動きませんし、期限内に「百万株」集められる見込みがなければTOBを取り消す事もできます。

その為、買収しようとする側には有利な制度なのです。(有利というよりも、有価証券報告書の届け出義務がある会社に対する買収を企てる際は原則としてこの方法を採る事というルールになっています。)

■TOBにもデメリットがあります

ただし、TOBを仕掛けられる側が買収に同意していないような場合、経営陣が抵抗することも考えられます。(敵対的TOB)

この場合、様々な抵抗策を用意する時間的な余裕を与えることになります。

また、基本的には市場価格よりも高い価格で買い取る必要が出てきます。(市場で1000円で取引されている株式を800円で売る人はいません。)

企業防衛の方法やTOB関係の言葉
敵対的TOB
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