グリーンメール_001
グリーンメールとは、会社の株を買い集めて経営陣に対して圧力をかけて、高値で買い取らせる手法です。

本記事ではグリーンメールの意味や仕組み、企業側の防衛策、中小企業との関係を解説します。

■グリーンメールの硬い定義

ある会社の株式を買い集め、影響力を行使するもしくは影響力を行使すると脅すことによって高値で買い取らせるという事を言います。

高値で買い取らせる相手は、影響力を行使されたら困ると考える人たちです。これは、株を買われた会社の経営陣や株を買われた会社のと関係が深い会社になります。

例えば、ある投資家が、あなたが経営している会社の株を買い集め、「新しい取締役を送り込んで経営に参加するぞ」なんて急に言って来たら困りますよね。

このように、グリーンメールとは「影響力を行使されたら困る」と感じさせて高く買い取らせるので、一種の脅迫にちかいような手法なのです。

■企業側の防衛

グリーンメールは脅迫類似の方法であるため、企業にとってはとても困ったことに陥ります。

そのため企業は株式を簡単に買われて影響力を持たれないようにすることを考えます。例えば、友好的な第三者に株式を持ってもらってホワイトナイト的なことをお願いしたりすることができます。

また、安定株主の確保も大切な要素になってきます。

■非公開会社を維持する

非公開会社として株主総会や取締役会の承認を得なければ株式を売却できなくするのも手です。特に中小企業においては非公開会社をデフォルト(初期値の意味です)として維持すると良いでしょう。

これに加え、定款で株式の譲渡は会社の承認を必要とする方法も効果的です。

とにかく、株式を買われなくすることが一番の防衛策になります。

なお、昔(20世紀って言うと歴史的に感じますが、1980年代など)は株式を分散させることが流行っていました。取引先とか親族に株式を持たせて(株主としての権利行使してこない前提で)安定株主としていた感じです。

しかし、現状そのような資本政策を取った企業は、当時の株主に相続が発生し株式が分散しすぎて大変なことになっているケースも存在しています。

■グリーンメールと敵対的買収

グリーンメールというと、似た言葉に敵対的買収(敵対的TOB)というものがあります。敵対的買収の場合も株式を買い集めていきますが、最終的な目的が少し違います。

敵対的買収は買収と書いてあるとおり、最終的には経営権の奪取を目的としています。買収先の企業を自分たちが支配したほうがより儲かるという発想ですね。

このように、敵対的買収そのものに違法的な側面はなく、企業価値向上につながるケースも存在するのです。

これに対して、グリーンメールは経営に参画するぞという圧力をかけて、最終的には高く株式を買い戻させる事を目的としています。

グリーンメール側は経営権自体を望んでいないケースも多く、経営介入するぞという圧力で会社と交渉して買い戻しを求めるという発想です。

■安定株主で防衛したわが国企業に発生した副作用

このようなグリーンメールから身を守るため、わが国企業では取引先や親族などに株式を一定数持ってもらう安定株主政策が行われていました。

資本の論理以外で動く人たちに株式を持ってもらうことで、安定株主になってもらっていたのです。

しかし、当時は合理的だったのかもしれませんが現状では別のリスクを生んでしまっています。当時株式を持ってもらった人が亡くなってしまった後、相続で多数の人に株式が分散してしまったなどです。

このような状況に至ると、所在不明の株主が増えたり、少数株主への対応コストが増えたり、株主総会を正しく運営するためのコストがどんどん増大していきます。

また、当時株式を持ってもらった人は経営に口出しをするつもりはなかったとしても、その相続人がそのように考えるとは限りません。

そのため、現代においては、中小企業の株式に譲渡制限をかけることができるようにするなど様々な制度が用意されています。

何処かのタイミングで株主名簿を眺めてみて、株式の集約を考えていくことも大切かもしれませんね。