リーセンシー効果_001
リーセンシー効果(Recency Effect)とは顧客の購買行動に対して、直前に接触した情報や印象が、行動や判断に影響を与える心理的効果の事を言います。

経営の場面では、顧客が購買する直前に示された広告や商品情報が、意思決定に大きな影響を与えるという効果で捉えます。

例えば、レジの前にPOP広告が置いてあってそれに惹かれてなんとなくガムを買ってしまった。何かを買おうと思ってネットショップにアクセスしたら、レコメンドエンジンが生成した推奨商品があり、それを買ってしまった。

こういった風に、何かを買おうと思っている時に、広告を接触させることによって、広告の成果が出やすいという考え方です。

■おすすめするのは非常に有効です

この考え方からすると、お店に置いてあるPOP広告やレコメンドエンジンが生成する推奨商品などは非常に強力な広告媒体であるという事ができるのです。

このまんがでも、ラーメンを食べようと思っていた生徒でしたが、直前に「蕎麦」と「焼きそば」の広告を見たことによって「蕎麦」 を買ってしまいました。 

どうでしょうか?みなさんも、お腹が空いてお弁当を買おうと思ってコンビニに行った際に、お奨めのお弁当を買ったりすることはないでしょうか?

あったとしたら、リーセンシー効果が効いているという事ができるのです。この効果を活用した例としては、以下のようなものがあります。
  • レジ前の商品棚に置かれたチョコレートやガム
  • コンビニのお弁当コーナーで見かけた「今日のおススメ」シール
  • ネットショップでの「これを買った人はこんな商品も買っています」のレコメンド表示
  • 動画広告の終了直前のオファーやクーポン
などです。どれも見たことがあると思いますが、少なからずみなさんも影響を受けて購買行動を変化させているはずです。

■リーセンシー効果とプライミング効果等他の心理効果との違いは?

このリーセンシー効果と似たような心理効果に「プライミング効果」がありますが、こちらは事前に接触した情報が意思決定に影響するという心理効果です。

ということは、
  • プライミング効果 → 事前に刷り込む
  • リーセンシー効果 → 直前に影響を与える
といったふうな違いがあるのです。どちらが効果的といったものでもなく、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

この他の不合理な購買行動を説明する別の効果として、バンドワゴン効果があります。
これは、「多くの人が買っている」「みんなが選んでいる」といった他人の行動が自分の意思決定に影響を与えるという傾向です。

たとえば、「売上No.1」や「SNSで話題!」というキャッチコピーは強力ですよね。心理的には、他人の選択に便乗して自分の選択の正しさを確認しようとする心理的効果です。

■リーセンシー効果の商売での活用法

上の方で挙げた例でピンときた方も多いと考えますが、追加で以下のようなリーセンシー効果の使い所があると例示してみます。

例えば、
  • Webサイトの「最終ステップ」でおすすめ商品を表示
  • メルマガで購入直前に「クーポン付の追いメール」
  • イベント会場で出口付近に商品紹介POPを設置
  • オンライン決済直前の「ついで買い」提案
などです。これらはすべて、「最後に見た情報」が判断に強く影響を及ぼすというリーセンシー効果を前提とした販売戦術になっています。(知っているんだったら使ったほうがいいですよね。)

また、経営マンガの一番下に広告を貼ったならばソレは筆者がリーセンシー効果を狙って広告を出しているんだなと捉えていただければ幸いです。

■まとめ

人の判断は割と不合理なものです。経済人モデルなど経済学のモデルでは完璧な人間を想定しますが、実際には経営人モデルのように不合理な人間を想定したほうが当てはまりが強くなります。

このように、人間は理性的とは限らず、「最後に何を見たか」「直前にどんな印象を受けたか」などで行動を大きく左右されたりします。

このリーセンシー効果を活用し、販促・広告設計・商品配置に応用して、購買率の向上を成し遂げてくださいね。