ボランタリーチェーン_001
ボランタリーチェーン(VC)とは、多数の独立した小売業者が連携して、規模の経済の獲得を目指す組織のことを言います。

主に卸売業が主催の場合をボランタリーチェーンと言い、小売業主催の場合、コーペラティブチェーンと呼ぶことがあります。(日本では特に区別しないことが多いです。)

・みんなで集まると強くなる
このボランタリーチェーンは、多数の独立した小売店が、仕入れや広告、使用する商標、物流などを共同化して、取引先との取引の大口化に伴う仕入れ価格の低減など、大規模な小売業と同じようなメリットを得ようとする方策です。

一般に、仕入れを実施する際には仕入れ数量を増やすと価格交渉力が生じます。

例えば、同じ商品を100個仕入れるのと、1万個仕入るなら、1万個仕入れる方が価格交渉に応じてもらえる可能性があります。

これは、仕入れ先に対して値引きを強制するといった訳ではありません。

1万個販売すれば工場の稼働率が上昇することで規模の経済が効いて製造コストが安くなる「はず」ですので、その安くなった部分をシェアしようという提案になります。(こういった切り口をいくつか使って交渉していきます。)

しかし、100個の仕入れではこの種の交渉ができませんのでやはり仕入れロットが増えると価格交渉力が出てくるのです。

これと同じ事は、什器などの設備にもいえます。ある程度の調達ロットがまとまると、交渉力が出るのです。

・連携するけど縛られない
この、多数の独立した…というのがボランタリーチェーンの特徴です。加盟しているお店同士が自主的に組織化しているというイメージとなります。

この点が良く似た組織形態であるフランチャイズチェーン(FC)と異なります。

フランチャイズチェーン(FC)は本部と加盟店の契約が基本となっています。これに対してボランタリーチェーン(VC)は自主的な参加が基本となっているのです。

このボランタリーチェーン(VC)は、独立した企業なので、各社が独自の取り組みを行えます。独立した企業が連携しているので、ある程度独自に動くことが可能なのです。

そのため、独自セールを行ったり、独自の仕入ルートから自社ならではの目玉商品を販売することができます。

ボランタリーチェーン(VC)では連携をしっかりして規模の経済などの経済的な利益は享受しますが、売り方を規制されるなどのことはあまりないため、独自に動けるといった事が強みとなります。

・全体としての訴求力はあまり高くない
ただし、縛られないと言ったことは強みであり、ボランタリーチェーンの弱みにもなります。

本部のコントロールは強くないので、せっかくボランタリーチェーン(VC)に加盟したとしても、品ぞろえが統一できなかったり、キャンペーンを統一して行いにくいといった問題点があるのです。

例えば、ボランタリーチェーン(VC)では加盟店をあまり強く縛れないため、全体で短期的に損をするようなキャンペーンは打ち出しにくくなります。

基本的には強制をすることができないため、戦略的に非常に大きな割引をするセール期間を設けるなどは難しいのです。

また、リテールサポートと言った形で、ボランタリーチェーン加盟店に対するサポートはありますが、フランチャイズチェーンのように非常に細かい業務マニュアルといったノウハウの供与も受けにくいといった特徴があります。

そのため、自社で商売の工夫をしつつ、最新の業務方法にアンテナを張れるお店はいいのですが、そうでないお店の場合は、業務に必要なノウハウが入手し難いといったこともあり得るのです。


onnanoko_bustup
みんなでユルーく集まって、仕入れ費用とかを安く利用と思うんだけど、どうかしら?フランチャイズに入るとユルくお店ができなくなりそうだけど、個店に限界を感じているのよね。

kitsune
いいんですけど、どこと連携を組むんですか?

onnanoko_bustup
そおねぇ。ファンシーショップって業態だから○○さんかしら?

kitsune_odoroki
あそこは大手だから、ボランタリーチェーンとしては組んでくれないと思いますよ。キャラクターだって有名な子が多いですし…

onnanoko_bustup_2
そうよねぇ。やるなら協力なキャンペーンもやりたいしボランタリーチェーンじゃ強制力を持って私のやりたいことができないのよね。






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