複線型人事制度とは、従来のように管理職として偉くなっていく事だけではなく、スペシャリストとして処遇していくといったコースを設けた人事制度の事を言います。
従来、出世とは管理職として組織をマネジメントしていく方向のみとして捉えられていました。
しかし、この捉え方はマネジメント能力の高い人材についてはしっかりと処遇できるのですが、マネジメント能力よりもむしろ自身の専門性で活躍しようとする人材については上手く処遇することができませんでした。
例えば、人の管理は上手くないけれども、抜群に営業がうまい人がいたとします。
組織としては、抜群の営業成績に報いる意味でも昇進させたいと考えるのですが、どうもこの人は、部下の管理が上手くない。
でも、いつまでも一般社員にしていたら、いつか貴重な人材が流出してしまうかもしれませんし、やる気を失ってしまうかもしれません。
また、営業が抜群にうまい人の側でも、人の管理などやりたくないと思っているのかもしれません。
そこで、このような人を「営業専門職」として、管理する人を増やすのではなく、裁量を拡大させるという方向で昇進させるという事を考えました。
どうでしょうか、「適性など関係ない、偉くなるという事は部下を管理する事なのだ」などと言って無理やり昇進させるという選択肢より、登場人物みんなが幸せになれそうですよね。
- 様々な偉くなり方
人はそれぞれ得意分野が異なります。従来は、出世競争を行う際、マネジメント能力という一つの軸が重視されていました。
でも、マネジメント能力をみんなが持っているよりも、様々な能力を持った人を組み合わせて活躍してもらった方が組織としての成果は大きくなります。(マネジメント能力のある部長が3人集まった組織より、部長と、エンジニアと、法律家の組織の方が成果に結びつきそうですよね?)
このように、管理職になる事以外でも、組織に貢献することはできるのです。そして、その貢献に報いるというのが複線型人事制度というわけです。
もっとも、従来のやり方では、組織が右肩上がりで大きくならないため、ポストが不足しているという問題もあります。その為、上手く処遇できない人材を一旦スペシャリスト扱いにしておくといった事も行われています。
(簡単に言うと、行き場がないからスペシャリストとして一応偉くしておくといった事も行われています。)
関連用語
専門職制度
(簡単に言うと、行き場がないからスペシャリストとして一応偉くしておくといった事も行われています。)
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