ゴールデンパラシュート_001
ゴールデンパラシュートとは、企業買収の防衛策の一つで、取締役が解任された場合多額の退職金を支払うという契約をあらかじめ結んでおく事を言います。

それでは、退職金の契約を結んでおくことがどうして買収防衛策になるのでしょうか?買収されても役員さんは安心といった意味でしょうか?

一つの例を元に考えてみたいと思います。

あなたは買収先の会社を探している実業家だとします。そこに、次のような案件が持ち込まれました。「毎年売上高1億、利益500万円が見込める事業を2,000万円で買いませんか?」

どうでしょうか、なかなかよさそうなお話ですよね?

でも、この話にはもう一つ、「現役員に合計3億円の退職金を支払う」といった条項がついていました。

どうでしょう、このような条項がついていたらイマイチ割に合わないですよね?

このように、ゴールデンパラシュートを設定する事によって、買収に必要な費用が大きくなるので、買収意欲を殺ぐことができると言われています。

そして、この買収防衛の目的で使うためには、十分に高額でないと意味がないというのもご理解いただけたと思います。

■ゴールデンパラシュートは経営者の自己保身か

会社の防衛策という文脈で紹介しましたが、このゴールデン・パラシュートは実務上は批判が多くなります。

冷静に考えれば経営陣の高額な退職金を防衛対策に使うという話は、経営者が経営権を失いたくないために実施するといった感覚が抜けません。どこまでいっても経営者の個人的な利益を保護するという私的な側面が強く、買収防止という公的な側面(そもそも買収を阻止することが公益に資するかも不明ですし)を見出すことが難しくなります。

ともすれば既存の株主や従業員から「会社を私物化して自分のために高額の退職金を設定したのではないか」といった疑問も出ます。

そのため実際に導入する際には株主や従業員への説明責任を果たすとともに、地域や金融機関、行政機関といったステークホルダーへの影響も考える必要があります。会社が潰れかねない高額な退職金の設定は金融機関や行政機関からすれば、何ら正当性のあるものではないですから。

その意味で、単なる既存役員・既存経営者の保護策にならないような制度設計が求められるのです。

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