マネタイゼーション_001
マネタイゼーションとは、中央銀行が通貨を発行することによって政府の資金不足を補う事を言います。

一般的には、何かを現金化するという意味なのですが、むしろ上で挙げたような、「中央銀行、政府、国債の引き受け」といったキーワードと一緒につかわれることが多い言葉です。

では、中央銀行が通貨を発行すると、なぜ政府の資金不足を補うことができるのでしょうか?中央銀行が発行したお金=政府のお金じゃないですよね?(もし中央銀行が発行したお金=政府のお金ならば、財政難なんて言葉はなくなるはずです。)
  • 中央銀行が発行したお金を政府のお金にするカラクリ
これを実現するためには、国債を活用します。

政府は国債を発行することによって、資金を国債の買い手から借りることができます。但し、国債を発行するという事は、借金なので当然利子を支払う必要があります。(どんなに信用があっても、利息を払ってくれない人にはお金を貸さないですよね?)

他方、中央銀行はその気があればいくらでも通貨を発行することができます。

では、中央銀行が無限に発行できる通貨で、国債を買い受けたらどうでしょうか?政府はいくらでもお金を調達できますよね?

「でも、そんなことをしたら中央銀行に沢山の利息を払う必要があるんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんが、それは心配ご無用です。

確かに、政府は国債の利息を中央銀行払う必要があります。しかし、中央銀行の儲けは政府に帰属するので、実質的に無利息で、無限に資金を調達することができます。
  • マネタイゼーションは現代の錬金術になりうるか
「現代の錬金術だ!バンザイ経済学!」と思われた方、ごめんなさい。この方策には重大な副作用があります。

それは、失敗すると極端なインフレを招く危険性があるという事です。歴史的にも、第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレをこのマネタイゼーションが招いたと言われています。

この副作用のため、多くの国では中央銀行が国債を直接引き受けることは禁止されています。(わが国でも、もちろん禁止されています。) 

■マネタイゼーションのリスクと中央銀行

マネタイゼーションは国が沢山お金を使いたいときに中央銀行が助ける仕組みです。しかしやり過ぎれはどんどんお金の価値が下がっていきます。

いわゆる財政規律の喪失という状況に陥って、インフレが制御不能になる危険性があるのです。

政治的理由に従っていけば、どんどんお金を使った方が有権者の受けが良くなります。(誰でも地元に橋が作られて便利になれば嬉しいですし、福祉が充実するのも嬉しいです)

しかし、このような際限ない支出を税収ではなくマネタイゼーションで支えてしまうと、何処かで国の信用に疑いが出てしまいます。

このような理由によって、政府が発行した国債を中央銀行が直接引き受けることはご法度とされているのです。

なお、量的緩和として市場を通じて国債を中央銀行が購入することはあります。しかしこれは金融政策ですのでマネタイゼーションとは区別されています。