
売上割戻とは、ある一定の期間にあらかじめ決められた数量を販売した取引先に対して売上代金を割り引くことを言います。
イメージとしてはあらかじめ決めてある一定の数量を販売したらもらえるリベートといった感じですね。そして、この売上割戻は、報奨金とか奨励金とか呼ばれています。
■売上の戻しなので、売上を差し引きます
この売上割戻は、売上割引とは異なり売上高のマイナスとして取り扱います。
例えば、100円の売上高があったときに、累計数量が当初の取り決めに到達したとします。
その際に、10円の売上割戻を行った場合、売上高は100円-10円=90円となります。
仕訳で表現すると、
売ったとき
(貸方)現金 100円 (借方)売上 100円
売上割戻しをしたとき
(貸方)売上 10円 (借方)現金 10円
となり、売上勘定を直接相殺します。
売上の割り戻しなので、その分の売上がなかった事になるといったイメージです。
ただ、値引きを行ったときに計上しないといけないというところに注意が必要です。
■売上値引勘定を使うときもあります
この売上値引は本質的に売上の相殺ですが、売上値引勘定を使って仕訳するケースもあります。
その場合は以下のような処理となります。
(貸方)現金 100円 (借方)売上 100円
売上割り戻しをしたとき
(貸方)売上値引 10円 (借方)現金 10円

たくさん売れたわねー。なぜか知れないけど、八百屋さんがウチのファンシーグッズをたくさん買ってくれるのよね。

売上割戻しの基準を達成したんじゃないんでしょうか?

そうね,これだけ買ってくれれば2割引きにできるわね。早速返金手続きにうつるわ。

ウチは売上高を相殺するか、売上割戻し勘定で処理すればいいんですよね。

そうよ。あとは計上時期に注意してね。売上割り戻しが発生したのは今だからね。
■良く似た用語
さて、この売上割戻と本当によく似た言葉として、売上値引や売上割引があります。
このうち、売上値引は売上割戻と本質的には同じで、割引額を売上高のマイナスとしてとらえたものです。
いずれもタイミングは違いますが、売上高のマイナスという扱いです。
しかし、売上割引は、売上代金のマイナスではなく、金利であると認識しているので、売上割引、売上値引とは大きく異なるのです。
解説で出てきた用語・関連用語
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