
売上割引とは、売掛金を期日よりも早く支払ってもらった際に、支払ってもらうべき金額を割り引くことを言います。この売上割引は利息扱いです。
さて、さらりと書きましたが、「この売上割引は利息扱いです」という一文にはとても深い意味が込められています。
それは、この取り扱いによって、売上割引は損益計算書上の営業外費用になるということだからです。
■どうして利息なの?
掛売上では通常あまり意識しませんが、売掛金というのは支払いを待っているという事になります。企業間信用というやつですね。
例えば、お菓子100円を翌月末払いの掛けで販売した時は、翌月末までお金の支払いを待っているという事になります。
それでは、支払いを猶予する際に、通常受け取るものはなんでしょうか?100円を1か月間貸した時に受け取るモノと言い換えてもいいです。これは、利息ですよね?
という事は、上の例では100円のうち、いくらかは支払いを待つことによって受け取る利息であると考えることができるのです。
■割引きなので売上のマイナスだと思うと間違いです
ここが簿記を勉強していて戸惑うところですが、売上値引や売上割戻しなど似た言葉があります。
しかし、売上割引はこれらとは本質的に異なります。
売上値引や売上割戻しは、あくまで売上のマイナスとして考えますが、売上割引は上で述べたとおり金利なので意味が異なるのです。
ここの処理は重要ですので間違わないように注意してください。ポイントは、このお金の本質は何かを考えることです。





売掛金がすごく増えたわね。回収にうつらないと資金繰りが厳しくなりそうよ。

売掛金の多いところに、お手紙書いておきましたよ。1ヶ月早く払ってくれたら1%の売上割引をするって。

早く払ってくれたら金利として考えられますから。

そういえば会計処理も売上割引は金利相当分ってきいたことがあるわね。
■取り扱いは?
それでは、上の例で翌月末ではなく、当月中に売掛金が支払われたとします。この時、「売掛金を早く支払ってくれるなら99円でいい」としたとします。
この1円は別に売上額の割引ではないですよね?売上は当初の100円になりますよね。その為、このような場合の割引は売上割引として金融費用(利息)扱いにしているのです。
仕訳は以下のようになります。
売り上げたとき
(貸方)売掛金 100円 (借方)売上 100円
売掛金の回収時に売上割引をしたとき
(貸方)売上割引 1円 (借方)売掛金 100円
(貸方)現金 99円
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