暗黙知とは、人が持っている知識のうちで、言葉で表すことができない知識の事を言います。
文字通り暗黙の知識です。例えば、ベテランの職人さんの持っている非常に高い技術で言葉では表現できないような「技」が暗黙知のイメージです。
言葉で表現することが難しいので、「技術は見て盗め」と言われていたのですね。
- 暗黙知の具体例
ではどういった知識が暗黙知なのかを一緒に考えてみたいと思います。
突然ですが、あなたは泳げない人に、泳ぎ方を言葉で説明できますか?これは非常に難しいと思います。
このように言葉では伝えられない(伝えにくい)事を暗黙知というのです。
- 企業の暗黙知
企業では、仕事の進め方などたくさんのノウハウがあると思います。でもそのノウハウをちゃんと新人さんに伝えているでしょうか?
OJTと言って、「見て覚えてね」みたいな研修を行っていませんか?そうではなく、企業が持っている暗黙のノウハウを、マニュアルなどの形式知に落とし込むことが大切だと言われています。
関連用語
形式知
OJT
- 暗黙知の承継は大変です
ノウハウとは、多くの場合暗黙知となっています。特に、職人芸的な長年の経験に裏付けられたノウハウ等は暗黙知となってしまいます。
このことから、中小企業においては、技術の承継が課題となってしまっています。
言葉にできないから伝えられず、伝えられないから、承継できないといった問題です。このことに対処するために、OJTと称して教育訓練を技能を引き継ぎたい人に対して施すのですが、言語化できていないので「技術は見て盗め」的な教育訓練となってしまうのです。
しかし、このような方法では素早く技術を伝えることは難しいため、技能の承継に時間がかかってしまいます。そのため、計画を立てて定期的に若い人を採用し、技能の承継を行っていく必要があるのです。
- そんな時間がない場合
しかし、そのような計画を立てて定期的に技能の承継を行うといったのは残念ながらすべての企業ができるわけではありません。
場合によっては、企業の強みが。この道50年のベテラン従業員【70歳】しか持っていない技術といった状況になってしまいます。
この場合、そのベテラン従業員が何らかの形で組織を去ってしまった瞬間にその企業の強みが喪失してしまいます。
そうならないように、最低限のマニュアルの整備等で暗黙知を形式知(つまり見えるノウハウ)にする努力をしていく必要があります。
現在では、様々な記録技術が利用可能ですので、不完全ではありますが技術を活用している風景を動画で撮り、様々なセンサーを利用して微妙なノウハウを数値化するといった事をしておけば最低限の情報は残せます。
もちろん、技術を持っている人に手順書やマニュアルといった形で言葉にしてもらう方が微妙なコツも盛り込めるとは考えられますが、取り急ぎ動画を撮っておけば全くマニュアルがないよりも良い状態となります。
その上で、直接OJTで教えてもらうなど工夫をすることで技術が失われることを避けることができます。
関連用語
形式知
OJT
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