
定期昇給とは、年齢や勤続年数が増えるにしたがって、賃金が増えていく制度のことを言います。簡単に言うと、一年たてば、一年先輩と同じ賃金が支払われる制度といったイメージですね。
この定期昇給は、あらかじめ賃金表(賃金テーブルと呼ばれるときもあります)といったモノが定められており、その賃金表内での異動といったイメージです。この賃金表内の移動という事が、良く似た言葉であるベースアップと異なる点です。
ベースアップはこの賃金表そのものの水準を底上げするもので、まさに「べース(基準)」が「アップ(上昇)」するのです。
ベースアップはこの賃金表そのものの水準を底上げするもので、まさに「べース(基準)」が「アップ(上昇)」するのです。

ここで、賃金表(賃金テーブル)とは簡単に言うと何歳の時にどれだけの賃金を支払うかといった表です。(この図はその表をグラフにしてみたものです。)そして、定期昇給はこの図のように、同一の賃金表のなかで動くイメージですね。
この定期昇給には年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給する自動昇給部分と、能力の向上・実績部分を査定して昇給枠を決める査定昇給部分があります。
このように、定期昇給は制度的に組み込まれた賃金の自然上であるということができます。(他方で、ベースアップは制度そのものの改定による賃金水準の上昇)
例えば、業績連動型(成果主義という弊害の多い制度で取られる事が多い)の給与制度に移行したり、一定年齢以上になると昇給が止まったりする設定です。
この賃金カーブの例を見てもらえればピンとくるかもしれませんが、中高年層では賃金が高止まりしますので、ここを下げたいと考える企業があるのです。
そのため、離職率の低下につながったり、組織内の秩序が安定したりします。(将来お給料が高くなることが見通せるんだったら、「今辞める」のはあまり合理的ではないですよね)
他方で、いわゆる年功序列になり、やる気と能力のある人材でも年齢が若いと報われにくいため、「頑張っても給料が変わらないんだったらやーめた」と言った考えを招き、人材流出リスクがあります。
ただ、総体的には一定程度の合理性があるため、多くの企業で定期昇給が維持されてきたといった歴史的経緯があります。
ただ、急な定期昇給制度の廃止は、これからその利益を享受するはずだった年齢層にとっては裏切り行為ですし、聞こえの良い成果主義は、「ちゃんと評価できる」といった評価制度や処遇などの制度と一体になって導入する必要があります。
そうしないと、成果給で測定されない組織に対する貢献(例えば、後輩に隠れたノウハウを教えるなど)を引き出すことがすごく難しくなってしまいます。
働くひと個人にとっては、成果主義で測定される「成果」を後輩や同僚が上げるような秘訣を教えても、その指導が個人の成果にならないなら囲い込んで教えないことが合理的ですから。
また、改革の名のもとに定期昇給を廃止することは、労働契約内容の一方的な不利益変更であるとされる危険性もあります。
いずれにしても、人事に係る制度は会社組織の根幹になりますので慎重にも慎重を重ねて判断していくことが望ましいでしょう。
このように、定期昇給は制度的に組み込まれた賃金の自然上であるということができます。(他方で、ベースアップは制度そのものの改定による賃金水準の上昇)
■定期昇給が廃止・停止されるケース
近年では、企業の経営状況や年功序列制度の見直しをするとの名目で、定期昇給制度自体を見直す企業も増大しています。例えば、業績連動型(成果主義という弊害の多い制度で取られる事が多い)の給与制度に移行したり、一定年齢以上になると昇給が止まったりする設定です。
この賃金カーブの例を見てもらえればピンとくるかもしれませんが、中高年層では賃金が高止まりしますので、ここを下げたいと考える企業があるのです。
■定期昇給制度は合理的か?
定期昇給制度は、将来の収入がある程度見通せるため、従業員にとってはライフプランが立てやすく成るといったメリットがあります。そのため、離職率の低下につながったり、組織内の秩序が安定したりします。(将来お給料が高くなることが見通せるんだったら、「今辞める」のはあまり合理的ではないですよね)
他方で、いわゆる年功序列になり、やる気と能力のある人材でも年齢が若いと報われにくいため、「頑張っても給料が変わらないんだったらやーめた」と言った考えを招き、人材流出リスクがあります。
ただ、総体的には一定程度の合理性があるため、多くの企業で定期昇給が維持されてきたといった歴史的経緯があります。
■安易な改革は命取りになるかも
このような年功序列的な古い制度は、改革の大義名分の下、槍玉に上がりがちです。例えば、上でも挙げた成果給にする等といった「改革」をするといった感じです。ただ、急な定期昇給制度の廃止は、これからその利益を享受するはずだった年齢層にとっては裏切り行為ですし、聞こえの良い成果主義は、「ちゃんと評価できる」といった評価制度や処遇などの制度と一体になって導入する必要があります。
そうしないと、成果給で測定されない組織に対する貢献(例えば、後輩に隠れたノウハウを教えるなど)を引き出すことがすごく難しくなってしまいます。
働くひと個人にとっては、成果主義で測定される「成果」を後輩や同僚が上げるような秘訣を教えても、その指導が個人の成果にならないなら囲い込んで教えないことが合理的ですから。
また、改革の名のもとに定期昇給を廃止することは、労働契約内容の一方的な不利益変更であるとされる危険性もあります。
いずれにしても、人事に係る制度は会社組織の根幹になりますので慎重にも慎重を重ねて判断していくことが望ましいでしょう。
初出:2012/12/24
更新:2025/07/06












