
カテゴリーキラーとは、取り扱う商品を特定の分野に絞り込んだ小売業の業態のことを言います。このカテゴリーキラーは大きな店舗で、徹底したローコストオペレーションを行い、豊富な品ぞろえと低価格を武器に販売していくお店です。
また特定のカテゴリー(商品分野)に絞り込んだ品揃えを徹底して追求するため、近隣の小売業はそのカテゴリー(商品分野)で対抗することが難しくなってしまいます。
イメージとしては大きなお店を構えて低価格かつ圧倒的な品ぞろえで勝負する、家電専門店、おもちゃ専門店、紳士服専門店といった感じです。
■対抗するのは難しくなります
このようなお店が自分のお店の側に出てきたら大変ですよね。様々な商品を少しずつ揃えてるようなお店では、基本的に対抗することは難しくなります。
例えば、あなたが生鮮三品以外も扱うような中規模のスーパーマーケットを営んでいたとします。
その時、近くに大規模なおもちゃ専門店が進出してきたらどうでしょうか?通常は総合的な品ぞろえの一環として取り扱っているに過ぎないスーパーマーケットのおもちゃ売り場では、対抗しきれないですよね?
このように、カテゴリーキラーが進出してくると、その商圏内の競合店で取り扱っている同一カテゴリーは生き残ることが厳しくなります。
このことから「(競合店の競合)カテゴリーを殺す店」→カテゴリーキラーと名付けられたのです。

めちゃくちゃ強力な競合店が出店してくるって?

聞いたよ。なんでも有名なカテゴリーキラーで、大量に仕入れてすごく安く売るらしいよ。ファンシーショップ業界の黒船だっていう話みたいだね。

これで、この界隈のファンシーショップは全滅してしまうかも知れないよ。僕たちもフリーマーケット行きかぁ…

大丈夫よ。きめの細かいサービスカテゴリーキラーと違った客層を狙って行くから。老舗の底力を見せてあげるわ。
■カテゴリーキラーのビジネスモデル
ただ、このカテゴリーキラーを実現することは非常に難しいビジネスモデルとなります。
■1.ローコストオペレーション
基本的には薄利多売の商売となりますので、店舗にかかる費用を抑えるために郊外に出店するなどの工夫を行います。また店舗自体の造作も必要最低限にするという形事が行われます。
例えば郊外にある大型家電量販店などの天井を見上げてみてください。お店によっては鉄骨がむき出しだったりします。
もちろん鉄骨がむき出しであってもお客様にとっては何の関係もありません。そのため本質と関係ないところは徹底してコスト絞り込むのです。
■2.知名度を高めやすい
このカテゴリーキラーは特定の商品カテゴリーを大量に扱いますので、品揃えがいいと言う名刺性を比較的簡単に得ることができます。
そのため、例えば家電が欲しければ『○○電気』、おもちゃが欲しければ『○ザラス』といったふうに、すぐに認知してもらいます。
■3.大量仕入れ
店舗展開を行い、グロスとして非常に大量の仕入れ行います。その結果価格交渉力が高まり、仕入れ値を安くすることが可能となります。
ただし、大量に仕入れるため商品が陳腐化するなどのリスクを負うこととなります。そのため、商品の在庫管理は徹底して行う必要がありますし、また死に筋になってるような兆候が出てきた場合すぐに見切り販売を行う必要があります。
■カテゴリーキラーの競合
このカテゴリーキラーは一時猛威を振るいましたが、近年ではインターネット販売などが台頭してきており、価格面でネット販売の方が安くなるようなケースも散見されます。
そのためカテゴリーキラーとして名声を得た企業は、単なる安売りを施工するのではなくもっと他の事をやろうと考えています。
しかしこういった考え方は小売りの輪理論で指摘されているとおり高コスト体質を招きます
。
今後カテゴリーキラーという業態はこういうのは理論で指摘されている通り、また別の低コストな業態の参入を許してしまうのか、それとも新たな業態になり得るのか非常に興味深いですね。
解説で出てきた用語・関連用語
小売業ローコストオペレーション
事業を営むのに必要な情報姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。