正常営業循環基準_001
正常営業循環基準とは、資産や負債が流動○○に分類されるか否かを判定するための基準の一つを指します。これは、正常な営業循環内で生ずる資産や負債を流動○○にしましょうという考え方です。英語ではnormal operating cycle ruleと表記されます。

さて、正常な営業循環ってどのような事でしょうか?一般的な営業の流れを下で考えてみたいと思います。

1.現金
先ずは現金から始まります。

2.仕入
売上を上げて利益を獲得するためには、その元となる商品を仕入れる必要がありますよね?この時にお金を現金で支払ったり様々な仕入債務が生じたりします。

3.商品(棚卸資産)
仕入を行った結果、商品が手元に届きます。この商品の状態のままで決算日を迎えた場合、商品として貸借対照表に記載されます。

4.売上
売上があがりましたが、ここで終わりとは限りません。それは、現金で販売するとは限らないためです。手形をもらったり、掛け売りを行ったりするかもしれません。

5.現金の回収
売上で生じた様々な債権を現金化するという事が必要です。例えば、売掛金を回収しなければいつまでたっても現金になりませんよね?

簡単に考えると、営業の循環とは上のような流れになります。そして、正常営業循環基準とは「この循環の中で生じるようなものは流動○○としましょう」というものです。

例えば、1.の現金は言うまでもありませんが、2.の仕入れで生じる買掛金などの仕入債務、3.の棚卸資産、4.の売上で生じる売掛金や受取手形などの売上債権などがこの基準に当てはまります。

そのため、現金や、売掛金、受取手形、棚卸資産、は貸借対照表を作成する際には流動資産へ、買掛金などの仕入債務は流動負債に該当するのです。

さて、このまんがでは、現金化するまで数年かかる棚卸資産も流動資産にあたると言っています。

これは、正常営業循環基準には、別に一年以内に現金化しなければならないとは言っていないので、この基準で判断するならばこの資産も流動資産になるのです。

流動○○の判断にはワンイヤールール(一年基準)という判断基準もありますが、この判断基準は、正常営業循環基準で判断した後の基準なので、正常営業循環基準で流動資産と判断された棚卸資産はその判断で流動資産となるのです。

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