シーズ志向_001

シーズ志向とは、製品開発の元となる技術や利用可能な資源ありきで製品やサービスを開発していく考え方のことを言います。

シーズとは文字通り新しい製品サービスの種であるという風に言えます。そしてこの種をうまく活用して事業化しようというような発想です。

例えば、画期的な軽い素材を作れるため、その素材を生かした製品を作るであったり、接客に長けた人材がたくさんいるから、接客サービスを強化した新しいコンセプトのお店を作るといった考え方です。

自分の持っているモノを生かして、商売をするといったイメージですね。

■革新が生まれる可能性があります

このシーズ志向で製品やサービスを開発する場合、しばしば非常に画期的なモノを開発できることがあります。


持っている経営資源を活用するため、非常に革新的なサービスを生み出す可能性があります。いわゆる市場におけるブルーオーシャンをつかむ可能性もあります。

しかし往々にしてシーズ志向は、売りたいものを売るという自己満足に陥りがちです。

特に地方の活性化などでやる場合、うちの地域ではワカメが取れるからわかめを練り込んだうどんを作るなどとやりがちです。別にわかめを練り込んだうどんが悪いわけではないんです、それが売れるかどうかは別の話です。

うまくいけばスマッシュヒットを生み出す可能性がありますが、なかなかそうならないのは皆さんのご存知の通りです。

■ニーズ志向で手堅く狙う

逆に、ニーズ志向でいった場合、市場のニーズに合わせて製品やサービスを開発するため、顧客が理解できないような画期的なモノは生み出されにくいという事があります。

例えば、一昔前は日本国内ではいわゆるガラケーが全盛を誇っていました。当時、日本企業は日本市場のニーズに合わせた非常に精巧な携帯電話を開発していました。

しかし、現在はスマートフォンという新しい考え方の携帯電話が生まれてきており、当時ガラケーを開発・販売していた企業に、当時の輝きはなくなりつつあります。

このようなことはイノベーションのジレンマとか破壊的イノベーションといった言葉で表されています。

■シーズ指向が悪いわけではありません

このように近年ではシーズ指向が良くなくニーズ志向の方が望ましいと言われることがあります 。しかしこれは良し悪しではなく単なる視点の違いです。

ただシーズ志向にこだわると、売れるかどうかわからないけど作りたいから作ってみると言った一発勝負の博打みたいな商売となりがちです。

ただ消費者自身も気づいていないような授業がありますので、うまくそこにマッチした商品やサービスを提供すれば大きなビジネスになる可能性があります。

このように、シーズ志向はうまく機能すれば非常に革新的な成果を生み出す可能性があるのですが、うっかりすると自己満足に陥る危険性もあります。

よくこの商品の良さがわからないなんて消費者が悪いなどという人がいますが、商売なので良いか悪いか言っても仕方ありません。しかし良いものを作ってるから売れるはずだよと言った思考に陥りがちですので注意が必要です。

これは、製品志向といったイメージに近いです。「いいものを作れば売れる」という言葉が表しているマーケティングコンセプトですね。

解説で出てきた用語・関連用語

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