単純承認_001
単純承認とは、民法によって定められている相続の方法の一つで、被相続人の権利義務を無限に承継することを言います(民法920条)。

この単純承認を簡単に言うと、良い財産も、悪い財産も全て引き継ぐという事です。いわゆる普通の相続といったイメージですね。

単純承認を行って、良い財産を引き継ぐ分には問題ありませんが(土地や建物、お金を引き継ぐことに特に問題はないですよね?)、悪い財産(いわゆる借金ですね)も一緒に引き継ぐ必要があることに注意が必要です。

例えば、悪い財産(借金)の方が多いと、親の残した借金を引き継いで苦労するというケースが発生してしまいます。

そのため、法律上は相続放棄(相続を一切しない)や、限定承認(相続財産の範囲で債務を弁済する)といった制度が用意されています。

この単純承認は、特別な意思表示をせずに、3か月を過ぎた場合に選択したとみなされます。IT用語風に言うと、相続にあたっては、単純承認がデフォルト(初期値)なんですね。

また、単純承認するという意思表示をしたり、相続した財産を処分した時にも単純承認したこととなります。

■単純承認とみなされてしまう行動と注意点

相続が始まった後、亡くなった方の預金を勝手に引き出したり財産を勝手に処分する(車を売ってしまうなど)と「単純承認した」と判断される事があります。

例えば、友達の荷物を預かっているだけと、もらって処分するのでは意味が違いますよね?

相続でも、

処分するとか勝手に予算を使ったということは、財産を自分のものとして使った

つまり

単純承認したとみなされる

その結果、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金)も引き継ぐ意思表示したとみなされる危険性があるのです。

■処分とは具体的に

  • 売却すること
  • 贈与すること(人にあげること)
  • 名義変更すること
が該当します。

他方で、建物の修繕などの保全行為は該当しませんが判断は事例ごとにする形になります。

そのため、相続放棄を検討しているならば、財産に手を付けることは大きなリスクになるため専門家の支援を受けることがとても重要になります。

■3ヶ月の熟慮期間について

考えることができる熟慮期間(よく考えるという意味ですね)は相続があったことを知ったときから3ヶ月以内となります。

ただ、借金がいくらあるか分からない、プラスとマイナスを精査しないとわからないけど、時間がかかりそうということもあります。

その場合は、早期に専門家に相談して、必要ならば家庭裁判所に申し立てをすることで熟慮期間を伸ばすことも可能です。

いずれにしても、よくわからないからと行動を停止してしまうことには大きなリスクがありますので、困ったら専門家に相談することが重要です。

専門家の心当たりがなければ、ご商売のことならば中小企業支援機関へ、そもそも商売やっていたかどうかもわからないということであればとにかく最寄りの市役所や町・村役場に相談することが重要です。

関連用語
遺言信託