クローズド戦略_001
クローズド戦略とは、競合他社からの追随を防ぎつつ、自社製品を事実上の標準(デファクトスタンダード)とすることを狙う戦略のことを言います。

特徴としては、基本的に自社内の経営資源を使って、製品の開発を行っていく点です。そのため、企業外部の資源を利用できるオープン戦略と比較して、開発の速度が遅くなったり、普及が限定的になる傾向があります。

しかし、この、クローズド戦略が成功すれば、非常に大きな利益を得ることができます。一人勝ちに近い状態をもたらすことができると言われています。

例えば、マイクロソフト社のwindowsを考えてみれば、成功したクローズド戦略が非常に大きな効果をもたらす事が実感できると思います。少数精鋭のチームを編成してスカンクワークス的にドンドン技術開発を行っていくイメージですね。

このまんがでは、クローズド戦略を用いて新しい傘を開発しています。基本的にこの戦略を用いる場合には、自社の経営資源しか利用することができないため、非常に多くの経営資源をつぎ込んだようです。

研究開発の努力の甲斐があり、この傘は標準規格となったようです。(デファクトスタンダードかデジュールスタンダードかは書いていませんが、ともかく標準規格になったとのことです。)

そして、標準規格となった傘を作った会社ですから、研究開発の努力は報われる(利益をもたらす)可能性が高いと考えられます。

■クローズド戦略だとなぜお客さんが離れにくいのか

クローズド戦略がうまく行けば、お客様はその会社の製品を使い続ける結果になります。それは、競合他社の類似製品へ乗り換える際の手間やコストが非常にかかる傾向があるからです。

この切り替えのためのコストをスイッチングコストといいますが、閉じた世界から飛び出すためには非常に高く付くのです。

例えば、独自のOSを搭載しているPCを作っていた企業があったとします。そのPCを利用している人が別のPCへ乗り換える場合、「OSの違いの操作へ慣れるコスト」(慣れるまで生産性が下がるのでその分のコスト)、「今使っているアプリケーションの乗り換えコスト」(既存資産が使えなくなるコスト:本質的にはサンクコスト)、「一応使えるらしいけど互換性を厳密に検証するためのコスト」など様々なコストがかかります。

これらを乗り越えてまで他社製品に移行することが合理的ではないと判断されるケースがあるのです。

いわば囲い込みに近いですが、このクローズド戦略の結果、囲い込みが成功した場合は継続利用率も高まりますし、関連製品も売れやすくなってきます。

自社がその世界の当たり前を決めることができるため、クローズド戦略が成功すれば大きな力を発揮することにつながるのです。(ベンダロックインなんかも近い考え方ですね)

なお、こういった構造は顧客もわかっているため、あまり独自の生態系を築いているシステムの利用は多少警戒してきます。その意味では新規顧客獲得には多少不利に働くと言った点は注意が必要です。