有効在庫_001
有効在庫とは、自由に利用できる在庫のことを言います。自由に利用できるから有効な在庫と名前が付けられています。言われてみれば単純な定義ですね。

■倉庫の在庫は全部が有効在庫(売って良い在庫)では無いかもしれない

でも、倉庫にあっても有効ではない在庫、自由に利用できない在庫ってどのようなモノでしょう?

「倉庫に存在する在庫なんだから全て自由にしてしまっても問題ないのでは?」と考える方もいらっしゃると思います。しかし、倉庫にあっても自由に使う事ができない在庫も考えることができます。

一例として、予約済みの在庫や、既に売却済みの商品などがあげられると思います。また、不良品は言うまでもないですね。 

■有効在庫の具体例

それでは、具体例で考えてみたいと思います。まず、倉庫に100冊の本があるとします。そのうち、50冊は予約済みで、誰に売るか決まっています。(これを引き当て済み在庫と言います。)

さらに、10冊は落丁が見つかっています。(いわゆる不良品ですね。)また、既に売れているけど、まだ発送を行っていない30冊の在庫があります。(受注残と言います。)

この条件の下、お客さんに売っていい在庫は何冊でしょうか?

これは、次の計算式で求められますね。

100冊-50冊(引き当て済み数量)-30冊(受注残数量)-10冊(不良品)=10冊

この計算の結果、10冊だけがお客さんに売っていい数量ですね。

有効在庫の計算は「倉庫内にある数量」から「予約済み」「受注残」「不良品」などを引いたもので計算できるのです。

このように、倉庫に存在していたとしても、すべての在庫が有効在庫であるとは限らないことに注意が必要なのですね。 

■有効在庫をちゃんと管理していないと発生すること

たとえ倉庫に在庫があっても、それが「有効」なものでなければお客様にすぐ販売できませんよね?上の例のように、予約済みの50冊、不良品の10冊は有効では無いことはちゃんと調べればわかります。

しかし、ちゃんとシステムや台帳などで管理していないと、毎回有効在庫がどれだけあるかを確認してからでないと売ることができません。このようなオペレーション上のロスは、納期遅れやキャンセルの原因になってしましますよね。

とくにBtoCなどのECサイトや製造業では大量の在庫を取り扱うため、有効在庫の見える化がカギとなります。

ちゃんと有効在庫が管理できていないと、しっかりと販売することができず、受注はしたものの納品ができないと言った状況に陥って信用を失うことにつながってしまいかねないので本当に注意が必要です。

■まとめ:有効在庫とは

  • 有効在庫とは、今すぐ自由に出荷・販売できる在庫のこと
  • 倉庫にあっても予約済み・不良品・受注済などは除外される
  • 正しく管理しないと欠品や納期遅れの原因に
  • ECや製造業では「有効在庫の見える化」が非常に重要