サービスの非貯蔵性とは、サービスは貯蔵できないという事を表した言葉です。サービスの消滅性と呼ばれることもあります。
そして、溜められないという事から、サービス業を営む際には一般の物販業とは異なる施策を考える必要が出てきます。(例:需要の平準化)
■サービスは貯められない
サービスは貯められないとはどういうことでしょうか?マッサージサービスを提供している人を考えてみたいと思います。
例えば、マッサージ師が「2月から3月までは比較的時間があるからマッサージサービスをあらかじめサービス溜めしておきます」といった事を考えていたとしたら、「何を言っているんですか?」と思いますよね。
つまり、マッサージというサービスは貯蔵が効かないのです。逆に一般の商品であれば需要が少ない時期に作りだめしておくことができますよね?
この貯蔵 が効かないという事が一般の商品と比較したサービスの特徴の一つなのです。
■貯められないからこそ在庫を持たないで良い
このサービスの非貯蔵性は逆に言えば、在庫を持つ必要がないと言うことです。(持つ必要がないのではなく、物理的に在庫にできないのですが)
そのため、在庫にかかわる様々な経済的なマイナスは考える必要がなくなります。(在庫を持つと在庫費用、在庫金利など様々な費用がかかりますし、資金繰り悪化の原因ともなります)
■在庫を持てないので
これらの特徴から、サービス業を経営する際にはサービスが貯められないという前提に立ってどうするかを考えて行く必要が出てきます。
例えば、どうせ貯められないので安くても売ってしまうという事が考えられます。
飛行機やホテルなどは、座席や客室が空いたままだと、その日のその座席、客室にかかる売上は永遠に失われてしまいます。
そのため、シーズン毎に定価を変えるなどと言ったことが行われるのです。
サービスをためることができたら大儲けよ!
藪から棒に変なことを言い出しますね。サービスの非貯蔵性と言ってサービスはためられないんですよ。
でも、だからこそためられれば大儲けでしょ?暇なときに、サービスを作っておいて忙しい時に売る。サービス製造は北国の冬の風物詩的な。
まあ、それができたらそうでしょうけど。でも、そうなると在庫管理とか在庫に伴ういろんなマイナスも考えなきゃならなくなると思うんですよね。
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