グループシンクとはアーヴィング・ジャニスによって提唱された考え方で、合意するという目標があるため、議論の対象となっている事柄を批判的に評価しなくなるといった傾向の事です。
日本語では集団浅慮などと言われます。集団浅慮というと、言葉のイメージがとても伝わりやすいと思います。
一人で考えて判断したらそんなバカなことはないだろうと思うような事が案外、集団で議論しながら考えると見落とされたりするといったイメージです。
■3人寄れば文殊の知恵だけど
日本には、3人寄れば文殊の知恵という言葉があります。衆知を集めるととても良いアイディアが出るといた言葉で、みんなの知恵を集めることにとても肯定的な考え方です。
しかし、グループシンクという、みんなで集まって考えると良くないといったことも言われています。日本語的には集団浅慮といった感じです。
また、衆愚政治などと言った概念もありますね。
これから会議を始めます。
僕は値上げをしてこのお店は客単価を上げる方向に行くといいと思います。
でも客単価じゃなくって、客数を増やす方向にもってった方がいいと思うんだよね。
そもそも客単価って漠然としているから、商品単価と購入数に分解した方が…
僕は、客単価を上げるために商品単価を下げて、それ以上いたくさん買ってもらうようにした方がと思います。
いろんな意見が出てきていいわね。最初に私が発言すると、議論が引っ張られちゃうから黙っていたけど、実は方向性については意見があって…
リーダー役の人のうまい進行で実りの多い会議になりました。
■集団で考えると
例えば、過去実際に発生していたにもかかわらずココでは地震など絶対に起こらないと考えたり、事故が起こった際の訓練をすると、事故が実際に起こりえるとの印象を与えるから訓練をしないという意思決定がなされるようなケースです。(書いていて嫌になりますね。)
普通の人でも一人で考えれば「そんなバカな?」と思うような結論ですが、グループシンクに陥っている場合には、偉い先生が集まったとしても、このような結論に至る場合があるのです。
また、グループシンクに陥りやすい状況も存在します。
集団凝集性が高かったり、専制的なリーダーに率いられている場合には異なる意見を出しにくくなります。
また、議論が進んで議論を収束させようと言った流れになった際は、議論を収束すべきと言った同調圧力が強く働きますので、あえて考慮すべき内容を提起する事には非常に勇気が必要です。
しかし、正当な批判であればしっかりと述べていくことが集団にとって非常に大切なのです。
■グループシンクを避けるために
このグループシンクを避けるためには、あえて異質な意見を持った人を受け入れる事が重要であるとされています。
その意味で、ダイバーシティは重要なのです。また、事情によって多様性が確保されていない場合には、あえて批判的な意見を言う人を役割として作るといった方法もあり得ます。
この場合は、役割で批判しているといった事を明確にし、個人的な好き嫌いとは関係がないことを明確にしておくと批判的な意見が言いやすくなるでしょう。
また、リーダーが個人的な見解を議論の冒頭に言わないようにする事も重要です。リーダーは良くも悪くも影響力が強いので、個人的な意見を言うとどうしても全体の議論がそちらに引っ張られてしまいます。
このまんがでも、「災害など起こさないのが仕事である」との意見が出されています。こういった意見には反対を述べにくいのですが、集団のために有用な意見ならばしっかりと述べることが重要です。
また、リーダー役の人が異論を受け入れるように最後のコマで述べていますが、リーダーの振るまいとしてとても重要な対応です。
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