消化仕入とは、陳列する段階では所有権をメーカーや卸が持っており、売れた瞬間に仕入れるという形式の事を言います。
百貨店等が得意としていた仕入れの方策で、委託販売のように品ぞろえを増やしつつ自社は在庫リスクを負わないで済むといった仕入れ方策です。
■消化仕入れは小売業者にとってもいい事ばかりではない
と、本サイトでは在庫を持つことはあまりいい事でないと繰り返し書いていることから、「在庫を持たなくていいなら最高ですよね?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、消化仕入れはいい事ばかりではありません。
まず、委託販売と同じように在庫リスクは卸やメーカーが持つため、いわゆる粗利は少なくなります。
リスクを取るのは卸売りやメーカーになるわけですから、高い粗利率で商品を卸したりなどできるわけがありません。
また、小売業者自身の売り場構築能力が高まらない傾向があります。リスクを取って仕入れるといった事を行わないため、売り場づくりのノウハウが組織にたまりません。
そして、動きが速い今日のビジネス環境において今日のビジネスにおいて停滞するということは、相対的に退化していくことにほかなりません。
そのため、消化仕入れをメインにするだけの立場が強い小売業であっても、売り場構築のノウハウを獲得するための努力は怠ってはならないのです・
なお、委託販売の場合、小売店は売り上げた際に「販売手数料」として利益を獲得しますが、消化仕入の場合表面上は売上と売上原価が計上されます。
■卸売りやメーカー側にとっては
中小企業の場合、消化仕入れと言えば商品を納める側になることが多いと考えられます。
そのような場合、大手の小売業との取引実績ができることや、集客力の強い店舗での販売による販売数量の増加など利点があります。
しかし、在庫水準がどうしても多くなりますので、適正な在庫水準の管理がポイントとなります。
消化仕入れかーいい商売よね。売れなかったら返品。こんな楽な商売はないわね。
で、売れたらその瞬間に仕入れを起こして、すぐに粗利に変えると。
でも、どうしてこんな商売に付き合ってくれる業者がいるのかしら?
店が集客力があるからですよ。集客力があれば、販売力もあるし。だから集客できるうちはWinWinなんですよ。
でも、こんなことをやっていたら売り場づくりが分からなくなりそうね。
もちろん、集客力がなくなったらお付き合いを考え直しますよ。お店に商品を納入する側はシビアに在庫管理しないといけないとか結構大変なんだから。
解説で出てきた用語・関連用語
委託販売粗利率
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