物流とは物的流通の事で、生産者による生産から消費者による消費まで、生産物を引き渡していく一連の流れを言います。英語では(Physical Distribution:PD)と表記されます。
この物流は生産者と消費者の物理的な距離や時間を克服していく活動であるという事もできます。
■モノが動くことで価値が生まれます
通常、生産者と消費者は距離が離れています。例えば生産者が海辺の町で加工した干物を都心の消費者に届ける場合を考えてみたいと思います。
まず、生産者から卸売業者に対して商品である干物を送ります。その後、卸売業者は小売店へ商品を送付し、小売店で消費者が干物を購入するという流れです。
この場合、生産者から消費者までは物理的に距離があります。さらに、時間的にも生産者が干物を作ってから消費者に届くまでには距離があります。(時間がかかっているという事ですね。)
物流はこの両者の間を結んで距離を克服しているのです。この距離を克服することで物流は付加価値を生んでいるのです。
■所有権の流れである商流とは、ずれる場合があります
この物流が語られるときに、所有権の流れである商流についても語られることがあります。
商流とは、簡単に言えば所有権の移転の流れで、上の例では生産者が卸売業者に干物を売った段階で所有権が移転するので商流が発生します。
しかし、売っただけで干物自体は生産者の倉庫にあれば、まだ物流は発生していないケド商流が発生したとなり、物流と商流がずれます。
なお、この二つの流れを合わせて物流と言います。
物流ってものを運ぶだけなんですか?
あら、どうしたの?
工場で僕たちぬいぐるみが作られても、欲しい人に届かないと価値がないなって思いまして。また、僕みたいな猫は年中需要がありますけど、トナカイ君とかはクリスマスシーズンがピークですから。とすると、場所だけでなくって、時間も物流で運ばれているんだなって思いまして。
■物流の機能を分解すると
さて、この物流ですが、機能を分解すると以下のようになります。
1.輸送機能
まさに物流のイメージそのままだと思いますが、物を運ぶ機能です。上の例では海辺の町の干物を卸売業者の倉庫に運ぶなどといったイメージです。
2.保管機能
モノはすぐに消費されるとは限りません。保管することで消費者の需要と生産者の生産時期といった時間的な隔たりを調整します。
言い換えれば、時間軸を越えてモノを運んでいるといえるかもしれませんね。
3.荷役機能
倉庫に積んであるだけでは物は価値を生みません。倉庫内で、整頓したり、配送しやすいように運搬したりすることを荷役と呼びます。
4.包装機能
パッケージングとも呼ばれ、商品を放送することも重要な物流の役割です。パッケージには商品を保護する役割や陳列を容易にして売れやすくする機能があります。
5.流通加工機能
消費者が購入しやすい大きさに加工するといった事も物流の役目です。魚が好きな消費者であっても、一本丸ごと買っていくようなケースはまれで、通常は切り身などを購入します。
この切り身にすることで価値を生んでいるのです。
このように、物流はそれぞれの機能で価値を生んでいます。逆に考えれば、十分な価値を産めていない物流の場合、これらの機能に問題があるため、分解して改善方法を考えていくことが可能となります。
解説で出てきた用語・関連用語
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