
レイオフ(lay off)とは、企業の業績が悪化した際に、将来再雇用することを前提として一時的に解雇する事を言います。
ココで大切なことは、将来再雇用する事を前提としていることです。この意味で単なる解雇とは異なります。
そして、将来の再雇用は勤続年数の長い人が優先されます。この勤続年数の長い人から優先して再雇用するという事で不況期の人件費の抑制を効果的に行い、かつ、勤続年数の長い人の持つ経験やノウハウを失わないようにしているのです。
アメリカでは良く行われていますが、日本ではあまり行われておりません。日本でこれに類似した事を行う場合、一時帰休制度を利用する事となることが多いのです。
なお、日本での一時帰休制度の場合はあくまで休業ですので、雇用は維持しています。レイオフは完全に雇用関係を断ち切ると言った点が異なります。

なんだか景気が悪くなってきたから、レイオフを検討しているんだけど、どうしようかしら。

僕たち、急に解雇って言われても困りますよ。

でも、景気が回復したらまた雇用するから安心でしょ?君たちのノウハウは失いたくないのよね。あ、生活はなんとかしてね、なんと言っても解雇だから。

ちょっと、オーナーさんそれは虫がいいんじゃないのかしら?

そうよねぇ。労働法制の関係もあるから、ここまではやりにくいわね。

そうですわ。みんなでこの苦境を乗り越えましょう。
■近年ではあまり行われない
レイオフはとても企業側にとって都合の良い制度です。というか、企業側の論理が前面に出ています。
業績が悪い→人件費を払えないので解雇したいけどいいよね。
ノウハウの流出が嫌だ→将来再雇用ということにするから、戻ってきてくださいね。
レイオフ中の生活費は→会社は面倒を見ません、だって解雇したのだから。
必ず再雇用されるの→約束はできませんね。
かなり自分勝手な論理ですが、これがレイオフの要素をまとめた内容です。
日本ではここまで企業が身勝手に振る舞うことが社会通念上難しかったことと、労働者を保護するといった観点で労働基準法が制定されていますのでほとんど行われていません。
解説で出てきた用語・関連用語
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